痛いのも辛いのも嫌 ページ1
「今回の功績により、Aを少将に任命する！」
『あばばばば』
ここはマリンフォード。
ついさっきまですよすよ〜と眠っていたというのに、突然部下に叩き起こされ、キレイめスーツに着せ替えられ、軽くお化粧まで施されたと思ったら、あれよあれよという間に中央広場の中でも1番目立つ演台の上に連れてこられ、衆人環視の中まさかの叙任式。
「10代のうちに少将まで登り詰めるとは、素晴らしい快挙だ。これからも期待しているぞ」
私の真正面では、全ての海兵のトップたるセンゴク元帥が微笑んでいるし、その後ろでは三大将がどっかり座って見守っているし、勲章のジャラジャラ付いた新しい正義マントを着せてくれているのはおつるさんだ。
なんだよこれ。
「早速だが、新しい任務を与えたいと思う……引き受けてくれるな、A少将」
センゴクさんは優しくそう言うけど、後ろの3人……特に赤犬さんの目が死ぬほど怖い。
断ることのできない雰囲気に、私のお豆腐ハートは早くも悲鳴をあげている。
『も、もちろんです、へへ……』
緊張のあまり小物感溢れる笑い声を披露してしまった。
まるで陽キャに話しかけられた時の陰キャ、カツアゲに遭ったオタク……どっちにしろ情けない……。
「そうか。それなら話は早いな。少将にはこれから、最悪の世代の調査と、継続的な小規模戦闘の任について貰う」
『……なるほど？』
最悪の世代……最悪の世代ってなんだっけ。
……ん？
私の視線の先、人混みに紛れた部下のひとりが両手に紙切れを持ってブンブンと振っている。
＿＿ユースタス・“キャプテン”・キッド 3億1500万ベリー
＿＿モンキー・D・ルフィ 3億ベリー
＿＿トラファルガー・ロー 2億ベリー
そのほか数枚、億超え賞金首たちの手配書がずらり。
『あぁ！ガープ中将のお孫さん！』
「……それを言うな……」
思い出した。
私と歳が近いから、と、ガープ中将が会う度に話を聞かせてくれた少年、モンキー・D・ルフィ。
彼を筆頭に、ここ数年で名を挙げ、1億の大台に乗ったルーキー海賊のことを、まとめて最悪の世代と呼ぶのだ。
……つまり、私の任務はそんなヤバいやつらと小競り合いをし、ちょっとずつ戦力を削いでいくこと。
そして、戦闘データを集めることだ。
『……初回で死にそう……頼むからサクッと殺して……痛いのも辛いのも嫌……』
「なぜそうお前は悲観的なんだ……」
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早桃 - んもー！めっちゃ好きです〜！！無理せず更新頑張ってくださいねぇぇぇ！応援してます！ (2022年10月20日 21時) (
レス) @page9 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
はるふ(プロフ) - 神作見つけてしまった😎これから応援しています🫡 (2022年10月20日 20時) (レス) @page9 id: 1cfa02e0c5 (このIDを非表示/違反報告)
涼風音欧(プロフ) - サメ好きさん» コメントありがとうございます！そんな風に言ってもらえるなんてとても嬉しいです、気長にお付き合いください！ (2022年10月20日 0時) (レス) id: d3245f1ebf (このIDを非表示/違反報告)
サメ好き - ものすごく面白かったです！文が見やすく情景が浮かびやすいのでめっちゃ好きです。更新待ってます！ (2022年10月18日 23時) (レス) @page7 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼風音欧 | 作成日時：2022年10月16日 3時
