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後悔させてやる ページ7

「Aって有名人だったのか」


スモーカーを撒いて、路地裏を進みながらエースが言う。


『有名人っていうより要監視対象って感じだけどね。海賊とまでは言わずとも、海軍の正義と私の仕事は必ずしも共存できる訳じゃないし』

「なんだ悪党か」

『違う!』


彼はニシシッと笑ってから、なぁ、と切り出した。


「最初の予定とは変わっちまうけど、ルフィにも会えた事だし俺はアイツに同行しようかと思ってんだ。俺がこの島まで来た理由……黒ひげのことについても、なにか掴めそうな気がしてる。それで、Aにも着いてきて欲しい……ダメか?」


遠慮がちに首を傾げ、エースは私に尋ねた。


「元々は俺が外で情報を集めてる間だけ、宿の番をしてくれりゃそれで良かったんだが……お前と離れ難くなっちまった」


少し照れくさそうに言うエースは、耳までほんのりと赤くなっていて。
恥ずかしさが伝染して、私まで頬が熱くなる。


『別に……』


いいよ、着いていく。
そう言おうとした刹那。


「ホワイト・ブロー!」

「げっ!?」


真っ白なパンチが飛んできて、私たちはとっさに避ける。


『もう追いついてきた!?』

「お前らはここで捕まえると言ったはずだ」

『だから捕まえるも何も、私悪いことしてないってば……』


私はため息をついて、仕方がないかと腹を括る。


『エース、先行ってて良いよ。ここは私に任せてさ。あとから合流するから』

「でもよ……」

『早く行かないと、弟くんどっか行っちゃうよ!追いかけな!』

「……わかった、ここは任せる!」

『はいよ、任せて!』


エースが走っていくのを見送りつつ、私はスモーカーと対峙する。


『……意外。追いかけないんだ、こっちとしちゃ有難いんだけど』

「各個で潰せば問題ねぇだろう、お前が大人しくしてくれりゃ助かるが」

『私は潰されないし、エースのところには行かせないよ。それに、私と敵対したこと後悔させてあげるから』

「上等だ」


スモーカーは先ほど同様、ホワイト・ブローで先手を放つ。

私はそれを避けながら、たっぷり息を吸い込んで……


『きゃーっ!助けて襲われるぅ!!!!』

「あ”!?」


私は全力で大通りに向かい、海軍らしき女性に思いっきり飛びつく。


『お姉さん助けて、さっきあっちで怖いお兄さんに……大人しくしろって言われて……』

「なんですって!?」


ふっ、スモーカーめ。
おそらく部下であろう女性にロリコン疑惑かけられて避けられてしまえ。

だめだった、捕まった→←(人生が)詰む詰む



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作者名:涼風音欧 | 作成日時:2022年10月8日 3時

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