崩落、水没 ページ28
一気に2話更新してます
まだの方は前話からおなしゃす
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「おー、やるもんだロウソク人間」
「えへ」
結果から言おう。
合鍵作りは成功した。
サンジが軽く……では無いな、大分強めにMr.3と肉体言語でお話したら、奴は快く合鍵作成を引き受けてくれた。
……暴力ってすごい。
サンジは仕上げとばかりに「アバヨ、クソワニ」と書かれた紙をMr.3に貼り付け、その意識を刈り取ると、すぐに檻から私たちを出してくれた。
「おぉっ！？知らねぇ間にかわい子ちゃんが一人増えてる！？」
『えっ！？』
サンジは私を見るや否や、目をハートにしながら近づいてきて、手を取られる。
「レディ、お怪我はありませんか。このMr.プリンスが来たからには、もう安心です……！」
『あぁ……それはどうも……』
突然豹変した彼の態度に動揺しつつ、私はそっと手を引き抜いた。
「しっしっし！こいつはA、新しい仲間だ！」
『いや、しれっと嘘をつくな！？エースに頼まれてお手伝いに来ただけのAだよ。ビビとは昔からの友達だから、協力は吝かじゃないわ』
ルフィに雑な紹介をされたので、一応訂正しながら自己紹介をする。
「ビビちゃんとお友達ってことは、君もプリンセスなのかい？」
「おぉ、サンジ、よく分かったな！Aはダルイッスとかいう国の王女だ！」
『ダウリッヒ！そんな疲れが溜まった感じの国名にしないで！……でも、良かった。ビビが無事に戻ってきてくれて』
絶妙に人の話を覚えていないルフィに呆れながらも、私はビビと笑い合う。
「Aのおかげよ……私一人じゃ、立ち上がれなかった」
『何言ってんの！あなたが誰よりも強い心を持ってるのは、私が保証する！』
「ふふ、ありがとう」
「うおぉ、愛らしいプリンセス2人が微笑み合う地下室だなんて、ここは楽園かっ！？」
「グダグダ言ってねぇでさっさと脱出するぞ、エロコック」
「あ”ぁん！？なんだとクソマリモ！」
ゾロとサンジがいがみ合っていると、メキメキと音を立てて壁や通路が軋み出した。
『不味い、崩れるっ！』
ゴオォという音とともに、一気に水が部屋の中に入り込んでくる。
「ルフィ！」
能力者のルフィとスモーカー、それから今の衝撃で頭を打ったらしいウソップが、水に飲み込まれて流されてしまう。
彼らを助けるべく、私たちも急いで水に潜った。
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作者名：涼風音欧 | 作成日時：2022年10月8日 3時
