【ONEPIECE】海上メイドですが何か。 (ページ11)

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もしもし、予定の変更ですか？ページ11

船は数時間進んだ後に泊まり、夕方になる前にはレインベースに最も近い船の停泊所まで着いた。

「ここからレインベースまで徒歩で1時間足らずみたいです。少し強行軍ですが、暗くなる前には着けるので行きましょうか」

たしぎが指揮をとり、海軍一行はレインベースを目指す運びとなった。

スモーカー？
奴は一人だけ能力で走るバイクに乗って先に行った。
なんて薄情な男なんだ！

夕方の砂漠は涼しく、歩くのもそれほど苦にならない。
私は予め買ってあった砂漠用の上着を着込み、のそのそと歩みを進める。
少しずつスピードを落として、最後尾のグループとも十分に距離を取ってから、電伝虫でエースに電話をかけた。

『もしもし、エース？』

「Aか！お前、今どこだ？待っても来やしねぇから心配したぞ」

『あー、ごめんごめん。今海軍と一緒なんだ、だからなかなか電話も出来なくて』

「捕まったのか？待ってろ、今助けに行く」

『や、大丈夫大丈夫。なんか捕まったって言うよりも保護してもらってる感じ？今夜レインベースに着くから、明日とか落ち合えないかな？』

「レインベース……お前そりゃ、クロコダイルがいるって街じゃねぇのか？」

突然エースの声色が変わり、切羽詰まったものになる。

『クロコダイル？……あぁ、七武海の。そんな大物が、どうしてこの国に？』

「そうさ、そのクロコダイルだ。今日、ルフィ達と行動してわかったが、奴はアラバスタの乗っ取りを画策しているらしい。この国の王女が言ってたんで、まず間違いねぇだろう」

『……なんか壮大な話になってきちゃったね』

「あぁ、ルフィ達は、この国の乗っ取りを防ぐつもりでいるんだ……。A。お前、ルフィの力になってやってくれねぇか」

『はぁっ！？待ってよ、国の乗っ取り云々なんて、私の手には負えないでしょ！』

「いやぁ、そう言わずに頼むよ。ルフィ達にもお前のこと話しとくから、レインベースで会ったら協力してやってくれ。俺に着いて来るはずだった1週間の、残りの6日だけでいいんだ。報酬は変わらず払うし、な？」

『んん……』

私は考える。
元々の期間を超過しなければ、書類上の問題は無い。
問題があるとすれば、エースとの突然の別れや国盗り問題に介入するしか無くなったことから来るストレスくらい。

しかし、他ならぬエースからの頼みだ。
私と離れ難いなんて言った彼の願い。

『……わかった。任せてよ』

「頼もしいな」

エースの声が喜色を帯びた気がした。