【ONEPIECE】海上メイドですが何か。 (ページ1)

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さよならバケーションページ1

「A、A〜っ！仕事だよ、起きな！」

私の朝は早い。
とは言っても清々しいもんじゃなくて、まだ日も登りきらない朝方に、部長に叩き起される。

あぁ、部長というのは40代半ばのふくよかな女性で、海上使用人派遣協会の創立メンバーのひとりらしい。

『嘘ですよね部長、今日から1ヶ月は長期休暇くれるって言ってたのに！』

「事情が変わったのさ。さっき電話が入ってね、“掃除”の得意な若い子が必要なんだと。さっさと準備しな！」

『あぁん、そんな殺生な！私の愛しのバケーションはどこにっ！！』

とは言え、仕事は仕事である。
私はいやいや制服に袖を通し、髪を括ってリボンをつける。
仕事道具の入った大きなリュックを引っさげて廊下に出た。

私一人が叩き起されたのが不服なので、他の従業員の寝室の前を通る時は『お仕事やだよォ！！』と喚き散らしてやる。
せいぜい騒音に苦しんだらいいと思う。

途中、口の悪い同僚の部屋の前を通ったら「うるせぇA！！」と缶を投げられた。わざわざ起きて来たらしい。
なんて野蛮なんだ！そんなんじゃ彼氏はできないぞ。

甲板に出ると、既に出勤用の小舟とお客様が指定した島へのエターナルポースが用意されていて、あとは私が乗り込めば出港できるようになっていた。
既に部長もいる辺り、準備がいいことで。

「さて、忘れ物は無いね、A」

『ないですけど、特別手当は出してくださいね？本来私休みなんですからね？』

「全く、口の減らないガキンチョだね。いいよ、色をつけといてあげるから、しっかり働いておいで」

『はぁ〜い……。ま、頑張りますか。行ってきます！』

「はいよ、行ってらっしゃい！」

部長に送り出されて、私は船を出す。

目指す島はアラバスタ。
砂漠を擁する夏島の中でも、指折りの大国である。

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用語解説！

海上使用人派遣協会

オリジナルの営利団体です。家政婦協会的な。
お料理からお掃除、果ては育児に至るまで、なんでもござれ！船乗りさんたちに向けた使用人の派遣サービスです。
時には海賊や海軍相手にも商売するので、意外にも強かな組織ですが、社員同士の仲は結構良好。
Aもこの組織で働く従業員のひとりです。