クレープは美味しいです ページ7
『クレープ美味しい?』
隣に座っている鏡花ちゃんに尋ねる。
鏡「ん。おいひぃ」
口周りにクリームをつけた鏡花ちゃんは幸せそうな顔で笑う。
て、天使だ……
鏡花ちゃんの笑顔にノックアウトされながら、自分の持つクレープを食べる。
んふふ、美味しい。
久しぶりにクレープを食べたけれど、こんなにも美味しいものだったっけ?
街に居た移動型のクレープ屋でクレープを買った私達は、近くにあったベンチで各々のクレープを食べていた。
クレープは勿論、私の奢りだ。
鏡花ちゃんは苺と生クリームの上に苺ソースがかかっていて、巻いた上にバニラアイスが乗っているクレープ。
乱歩さんはチョコクリームとバナナの上にチョコソースがかかっていて、巻いた上にチョコアイスが乗っているクレープ。
そして私は生クリームとコーヒークリームの上にチョコソースがかかっていて、巻いた上にコーヒーアイスが乗っているクレープを買った。
お財布が暫し軽くなったが、嬉しそうな二人を考えれば安い買い物だ。
不意にクレープを持っている手が横へ引っ張られる。
?「それ頂戴」
その言葉と同時に私のクレープが食べられた。
『あ!まだ良いって言ってませんよ!』
食べた犯人はしてやったりと笑っている。
犯人は勿論、私の隣に座っている乱歩さんだ。
現在私は鏡花ちゃんと乱歩さんに挟まれる形で座っている。
乱「ちゃんと頂戴って言ったよ」
『そうですけど……』
乱「はい、僕のあげる」
乱歩さんが自分のクレープを差し出した。
彼の思わぬ行動に驚く。
『いいんですか?』
乱「いいって言ってんの」
早くしろと、グイグイ口元に近づけてくる。
『じゃあ……、いただきます』
パクリと乱歩さんが持っていたクレープを食べる。
あ、こっちも美味しい。
『美味しいです』
乱「僕が選んだものだから当たり前でしょ」
ドヤァと乱歩さんが自慢げに笑う。
それを親の様に微笑ましいなぁと見ていると、今度は反対側にクレープを持っている手を引っ張られる。
鏡「それ欲しい」
そういうや否や、鏡花ちゃんは私のクレープをパクリと食べる。
気づけば、鏡花ちゃんのクレープはいつの間にかなくなっていた。
『もう食べたの?』
鏡「うん。美味しかった」
歳相応の輝く笑顔でニコッと笑いかけてくれる。
この時間が永遠に続けばいいのにと、そう思った。
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ニーナ(プロフ) - ふわふわさん» ありがとうございます!返信が遅くなり、すみません。作者の都合で非常に遅くなってしまいますが、続編はしっかり完結させるまで書く予定なので、気長に待って頂けると嬉しいです!面白いと言って下さり、本っ当にありがとうございます!! (2020年11月22日 21時) (レス) id: 65a2341deb (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ - 文ストに最近ハマり始めました!本当に面白くて好きです!続編は更新する予定ありますか?もしよければ続きが見たいです(*^^*)これからも応援しています! (2020年11月15日 18時) (レス) id: 9f6e2c3f9c (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - 恋雪さん» ありがとうございます!好きって言ってもらえて、本ッ当に嬉しいです!投稿頑張ります。これからもよろしくお願いします! (2018年8月28日 13時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - もう本当好きです……これからも応援してます!頑張ってください! (2018年8月27日 23時) (レス) id: 2b765a4bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - ところてんさん» ありがとうございます!投稿頑張ります。これからも見守っていて下さい! (2018年8月18日 16時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニーナ | 作成日時:2018年1月2日 5時