あの言葉の意味 ページ17
黙っていた国木田が声を上げる。
国「谷崎と敦と賢治は此処で待機。太宰は俺と会議室に来い。社長会議だ」
敦「ちょ、ちょっと待ってください。Aちゃんの捜索は如何するんですか」
国木田の指示に敦が異を唱えた。
国「……彼奴にはあの異能がある。太宰以外誰も彼奴には勝てん。それに彼奴も探偵社員。Aなら大丈夫だ。今は、組合に対して如何するのか決めるのと、他の社員の安全を確保するのが先だ。これ以上被害を出すわけにはいかん」
敦は納得できずどうすべきか思い悩む。そこでAに言われたことを思い出した。
敦「……実はAちゃんが組合を送りに行く前、彼女に言われたんです。『もし、私が居なくなったら助けに来てね』って」
その言葉に皆、目を見開く。
谷「もしかしてAさんはこの状況を想定していたんじゃ……」
国木田が眉間に皺を寄らせ、深く溜息をついた。
国「谷崎と敦は連携してAを探せ。賢治は組合の情報を洗え。敵と接触しても戦わず逃げろ!」
敦「っ、はい!」
敦は谷崎と顔を見合わせて頷き合うと、急いで探偵社を出た。
ーーーーーーーーーー
ナ「あんなにピリピリした探偵社は初めてね」
敦と谷崎、あとナオミを含めたこの三人は現在、A捜索のために街を歩いている。
Aの捜索を命じられたのは敦と谷崎だけだったが、「兄様が行くならナオミも行く」と言ってナオミは二人についてきたのだ。
三人の前にある道路の歩行者用信号機が赤になる。
谷「ナオミ、矢ッ張り社に戻るンだ」
妹の身を案じ、兄の谷崎が妹に帰るよう促す。
ナ「嫌よ。ナオミも捜索を手伝うわ。こんな時に兄様と離れたくない」
谷「危険過ぎる!」
全く帰ろうとしない妹に兄が少し声を上げる。だが、それに負けじと妹も言い返す。
ナ「危険なのは社も同じよ。建物ごと消されるわ。ねぇ敦さん、そうでしょ?」
急な質問に吃驚しながらも「そ……それはまあ」とナオミの圧におされる敦。
谷「敦君、君と違って妹には異能が無いンだ。足を引ッ張る」
その言葉にカチンと来たのか、ナオミはあることを言い出す。
ナ「何よ兄様。ナオミの云う事は何でも聞くと云ったじゃない」
谷「き、昨日の夜のアレはお前が無理矢理……!」
そこで谷崎の顔がハッとなり、一気に頬が赤く染まっていく。
谷「……何でもありません」
声が小さくなり、腕で顔を隠した兄の姿を見てナオミは勝ち誇ったようにドヤ顔をした。
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ニーナ(プロフ) - ふわふわさん» ありがとうございます!返信が遅くなり、すみません。作者の都合で非常に遅くなってしまいますが、続編はしっかり完結させるまで書く予定なので、気長に待って頂けると嬉しいです!面白いと言って下さり、本っ当にありがとうございます!! (2020年11月22日 21時) (レス) id: 65a2341deb (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ - 文ストに最近ハマり始めました!本当に面白くて好きです!続編は更新する予定ありますか?もしよければ続きが見たいです(*^^*)これからも応援しています! (2020年11月15日 18時) (レス) id: 9f6e2c3f9c (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - 恋雪さん» ありがとうございます!好きって言ってもらえて、本ッ当に嬉しいです!投稿頑張ります。これからもよろしくお願いします! (2018年8月28日 13時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - もう本当好きです……これからも応援してます!頑張ってください! (2018年8月27日 23時) (レス) id: 2b765a4bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - ところてんさん» ありがとうございます!投稿頑張ります。これからも見守っていて下さい! (2018年8月18日 16時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニーナ | 作成日時:2018年1月2日 5時