初対面の彼等 ページ13
?「会えてとても嬉しいよ。プレジデント・フクナ……フクダ……」
福「福沢」
?「それだ。ところで、ヘリを道路に停めさせたがまずかったかね?何しろヘリポートの無い会社を訪ねるのが初めてでね」
福「外国の方が遠路遙々ご足労でしたな。して、用件は__」
薄暗い廊下に、扉を隔てた社長室内から二人の会話が聞こえてくる。
その音を背に、社内フロアへ戻った。
フロア内では皆、不安そうな顔をしていた。
国木田さんなんて気が気でないのか、何かを呪文みたいに呟きながら同じ場所を何度も早足で歩いている。
その中でも敦は特に不安な顔をしていた。
まぁそれもそうだ。自分を狙っている本人が今社長と話しているんだなんて。
『あーつーし!』
自分の席で苦い顔をして俯く敦の耳元で彼の名前を呼ぶ。
敦「わわっ!って、なんだAちゃんか」
敦はビクリと肩を震わせた後、私の顔を確認して安心したように自分の胸をなで下ろした。
『何だとはなんだ』
敦「えっあ、いや、深い意味は……」
ムッと頬を膨らませて怒ったようにすると、敦は焦ったのかワタワタと手を動かす。
その姿が可笑しくて、ふふっと笑みがこぼれた。
『冗談だよ。それよりもし、私が居なくなったら助けに来てね』
__約束だよ?主人公。
私の言葉に敦は首を傾げる。
敦「それはどういう__」
ナ「お客様がお帰りでーす!」
敦が何か聞こうとした時、社長室からナオミちゃんの声が聞こえてきた。
早いな。もう行かなくちゃ。
『ちょっと行ってくるね』
敦「あ、うん」
気合いを入れ、社長室へ急いだ。
社長室の扉を開け、部屋に居る外国人男女三名を見据える。
北米異能力集団《組合》団長 フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド
__華麗なるフィッツジェラルド
《組合》構成員 ルーシー・モード・モンゴメリ
__深淵の赤毛のアン
あと一人は……誰だったっけ?
?「おやlady、どこかであったことがあるかな?」
フィッツジェラルドさんが急にまじまじと私の顔を見てきた。
『……ないです』
間近で見るその姿に、少し怯みそうになる。
『えっと、お送りします』
怪しまれないよう、いつもの太宰さんを見習い、ニッコリと営業スマイルを貼り付けた。
社長と一緒に居たナオミちゃんが驚いた顔をしていたが、見ていない振りをした。
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ニーナ(プロフ) - ふわふわさん» ありがとうございます!返信が遅くなり、すみません。作者の都合で非常に遅くなってしまいますが、続編はしっかり完結させるまで書く予定なので、気長に待って頂けると嬉しいです!面白いと言って下さり、本っ当にありがとうございます!! (2020年11月22日 21時) (レス) id: 65a2341deb (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ - 文ストに最近ハマり始めました!本当に面白くて好きです!続編は更新する予定ありますか?もしよければ続きが見たいです(*^^*)これからも応援しています! (2020年11月15日 18時) (レス) id: 9f6e2c3f9c (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - 恋雪さん» ありがとうございます!好きって言ってもらえて、本ッ当に嬉しいです!投稿頑張ります。これからもよろしくお願いします! (2018年8月28日 13時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - もう本当好きです……これからも応援してます!頑張ってください! (2018年8月27日 23時) (レス) id: 2b765a4bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - ところてんさん» ありがとうございます!投稿頑張ります。これからも見守っていて下さい! (2018年8月18日 16時) (レス) id: 15bf40c898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニーナ | 作成日時:2018年1月2日 5時