泡沫メモリー【短編集】

首輪[まふまふ] ページ30

『まーふーさーん』

リビングから待ちわびた僕を呼ぶ声が聞こえて部屋から飛び出す

「もう、僕編集するから呼ばないでって言ったじゃん!」

嘘の文句をいいながら隣に座ると腕を引かれ唐突にキスされる
コロン、と何かが移された

「飴…?…また食べてるうちに飽きたんでしょ!」

ちゃんと最後まで食べなよ!!と怒る

……というか…僕がいいって言ってないのにちゅーした?

一気に血の気が引く
焦る僕をじっくりと観察しながら楽しそうに笑うA

「ちょ、A、何でそんなに楽しそうなの!!?」
『貴方の焦る顔って可愛いですよね』
「はぁ!?何処が可愛いの!!?」

冷や汗がだらりと背中を伝う

『全部可愛いです』

ぺろりと舌舐めずりをする

あ、これヤバい
逃げらんないかも…

「あ、あの、Aさん?僕これからまだしなきゃいけない作業あるんだけど…?」

訪ねるも

『暫くいい子にしてたし構いませんよね?』

猟奇的なAは聞いてくれず噛み付かれた

＿＿＿＿

[首輪をすれば暫くは大人しくできます]

[ただし限界を超えると飼い主に噛み付くのでご注意を]

雨の日[ミズチ]→←涙:2[セルティ･ストゥルルソン]

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す