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暗い夜道でとくに会話を交えることもなく無事にユリを家まで送り届けた帰り道。
聞きなれた着信音が鳴り響いた。
『あ、でた！もしもし、』
「はいはいAちゃん、オッパだよ」
『わあ、バイトおわりにオッパが電話出てくれるのはじめてだ...』
「バイト帰り？おつかれ〜」
タイミングが良いんだか悪いんだか、Aちゃんからの電話だった。前までは無視するか5回に1回くらいしか相手してあげなかったけど、わんこを可愛がるみたいな要領で2コールで出てあげた。
Aちゃんに気持ちがないのに、ユリへの罪悪感を募らせるかと言ったら、それはおかしな話だと思う。でも、ユリの立場から考えると、きっと最悪な状況だろうな、とも。
分かってるのに、Aちゃんにかまってあげるのをやめられない。
むしろ、おれが望んだ結果なのかな、なんて。
『機嫌、わるいですか？電話がユリさんからだったらいいなっておもった...？』
「いや、思ってないけど」
大丈夫、全部本音だから、安心してよAちゃん。
『私、ユリさんの背中押しまくっちゃった...オッパのこと大好きだから、だからこそ、やっぱりユリさんには幸せになってほしいって、おもっちゃったんです』
「...Aちゃんらしいね、おれのことすげえ好きなくせに」
『うん、だから、ほんとうはちょっぴり後悔もした、かも...ユリさんがいい人すぎて辛い』
ユリもAちゃんもめちゃくちゃいい子だから、きっと本音と建前がぶつかりあってその間に挟まれて、窮屈な思いをさせちゃってる。
おれのことすげえ好きなくせに、って冗談交じりの本音に、素直にうんって返事をするおばかなAちゃん。
なにやってんだろうね、おれたち。
『おれもう寝るけど。赤ちゃんがまだおうちついてないなら、電話繋いどいてあげる』
『うわぁ、そういうところだよオッパ...』
ベッドに横たわりながらスピーカーから流れてくる生活音に夢心地になって、結局Aちゃんが鍵をかける音を聞くまで安心出来なかった。
過保護といったらそれまでなんだろうけど、やっぱりAちゃんは妹みたいなもの、だし。
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眠い(プロフ) - SFさん» こちらこそ最後までありがとうございました！そう言っていただけて何よりです⸝⸝> ̫ <⸝⸝ (2021年9月20日 22時) (
レス) id: 8c10ca57b8 (このIDを非表示/違反報告)
SF(プロフ) - めっっっっちゃ面白くて大好きな作品でした！！最後までありがとうございます！！！！ (2021年9月20日 2時) (レス) id: 3dff394c60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眠い。 | 作成日時：2021年7月30日 23時
