【スタミュ】第三幕／夢と星と、そしてほんの少しの毒 (ページ43)

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120場　舞台ページ43

「ひっ……」

その悲鳴が果たして那雪のものだったのか、あるいは蜂矢のものだったのか、鈴音にはわからなかった。

つまり彼女も、それだけ動揺している。

「――A……」

ついに危惧が現実となってしまった。

彼女を守る為に決行されたはずの舞台(ステージ)で、よりにもよって彼女自身が傷付く事になってしまうなんて。

「どうして、こんな……これは、Aを守る為の……」

「……残念だが、それは違うだろうね」

掠れ、震える鈴音の言葉を否定したのは、警官の十条だった。

「言いたくないが、此処は彼女を守る為の場所ではなかった。彼女を《守れなかった事を証明する為》に誂えられた晒し場(ステージ)だった。……我々は嵌められたんだ」

「……誰に、です？」

「Aさんを狙う犯人に。もしくは、もっと別の事件の真相に……」

口惜しそうに呟く十条。

彼の耳のインカムから、誰かの苛立ったような声が聞こえる。