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91場 幕間 ページ13
「……何も起こらず進んでるね、良かった」
舞台袖下手で、影夜が呟く。
第二部が終了した事を告げるアナウンスを聞きながら、申渡が答えた。
「ええ。このまま、何事もなく進んでくれれば良いのですが」
「そうだね……」
頷きながら、しかし影夜は嫌な予感を拭えなかった。
確たる証拠などないが、この手の感覚はよく当たるのだ。
「兄さん!」
「A……」
そこに、Aを始めとした革命軍のメインキャストが下手へと戻ってきた。王族側のメインキャストは上手へ退場したようだ。
「怖い顔してどうしたの?」
「いや……」
「大丈夫! いくら手段を選ばない相手でも、さすがに舞台上の演者をどうこうするなんて出来る訳ないでしょ?」
「……そうだね」
どこか納得してなさそうな表情ながらも、一応影夜は頷いてみせた。
妹は兄に微笑みかけ、兄は妹に頷きかける。
そしてそんな二人の様子を、空閑が不安げな瞳で見つめていた。
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作者名:月下 | 作成日時:2018年7月1日 21時