78場 過程 ページ41
ライトが点く。
カルセドニー自警団会議室。ミスリル、エルト、トール、ヴィレントが円卓を囲んでいる。
「あれから一週間ね。首尾はどう？ ヴィル」
ミスリル尋ねると、ヴィレントが手元の資料を捲った。
「上々、とは言い難いですね。身内を処刑された私怨より全面協力を申し出て下さる方もいらっしゃいますが……。国を対立するのを嫌がる方が多いです。まあ我々の動きは内密にして頂けるようですが」
「そう……。密告しないと言ってくれているだけでも、感謝しないとね。協力してくれるのは？」
「カルーザ＝サスティス、アース＝レリーフ、シルクド＝ドルツェ。以上三名です」
「3人！？」
トールが叫ぶ。
「たったそれだけかよ！？」
「商人にも重税は課せられていますが、王族貴族御用達の所はリターンも大きいですから……。かと言って、小さい所は現在の我々と大差なく、明日をも知れぬ状態ですし」
「そう……ありがとうヴィル」
「まだ伺っていない商会もありますので、そちらは追ってご報告します。そちらは如何ですか？」
「それには俺が答えるぜ、ヴィレント」
トールが立ち上がり、報告を始める。
「えー……王都の奴らに声をかけた結果、一般市民はかなり集まってる。ま、王族貴族連中に恨みを持ってる奴は多いからな。剣なんざ握った事ねぇ連中しかいねぇが、そこは本番までに俺と部下で何とかする。……が、そこが解決しても足りないもんがあるぜ、ミスリル」
「……情報ね」
「そうだ。王宮の兵が何処に何人いて、どう守ってるのかっていう情報。どうするつもりだ？」
「……焦る必要はないわ。チャンスは必ずやって来る。それまでに、出来る事をしておきましょう」
暗転――
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作者名：月下 | 作成日時：2017年12月23日 22時
