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41場 心配 ページ3
「君は意外と心配性だよねぇ、切国」
影夜は軽く笑ったが、切国は厳しい顔のままだった。
「俺達が知らないとでも思っているのか、影夜。綾薙の中に、かすめた覚醒剤を売り捌いてる連中がのさばっているそうじゃないか」
「「…………はぁ〜〜〜〜〜！？」」
影夜とAは完璧にハモりながら驚愕した。
それを切国が知っているという事実もさる事ながら、まさか売り捌いているという噂まで出回っているとは。
「……知らなかったのか？」
「忙しくてそんな事を考えている暇もなくてね。……事実なのかい？」
「警察は動いてないから、デマだろうとは思うが……。綾薙祭を開催する前に、理事が掛け合っている可能性もゼロではないだろうな」
切国は小さく溜め息を吐く。
「……言っても聞く気はないんだろうが……。A、キャスト変更を申し出て千秋に戻る気は――」
「ない」
切国が言い終えるのを待つ事なく、Aは言い切った。
「その気があるのなら、一番最初に噂が立った時から帰ってるでしょ？」
「……あんた、頑固だな」
「父さん譲りよ。心配してくれてありがとう、切国君。でも、大丈夫」
Aの笑顔に、切国はもう一度溜め息を吐いた。
「何かあったら誰かに相談しろよ。俺でも、国広でも、国伏でも、あんた達が世話になってるっていう人達でもいい。誰でもいいから――頼れ」
「ふふ、わかった」
Aが頷くと、インターホンが鳴った。
Aが出る。カメラに映っていたのは、スーツ姿の体格の良い青年。
「国伏さん！ お久し振りです！」
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作者名：月下 | 作成日時：2017年12月23日 22時
