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20場 後見人 ページ24

最近、影夜は夢を見る。

内容は決まって同じ――父と母が死んだ時の夢だ。

二人が死んだのは、影夜が10歳、Aが9歳の時だった。

交通事故による急死。

見渡しの良い交差点。赤信号で止まっていた七種一家の乗る車に、猛スピードで左折してきたトラックが曲がり切れず正面衝突した。

トラックの運転手と、運転席の父、助手席の母はほぼ即死。

後部座席に座っていた影夜とAも、全治2ヶ月の重症を負った――。


「……お久し振りです、白鳥さん」

「……長船か。あいつの葬式以来だな。君からコンタクトを取ってくるとは……何かあったか?」

「あの子達の事です……大丈夫でしょうか?」

「……」

「僕が言えた義理ではありませんが……あの子達はまだ高校生です。幾らもう10年経ったからと言って――」

「心の傷は治っていない、と?」

「あの子達は賢く、そして優しい心を持っている。僕や貴方に迷惑をかけまいと無理をしていないと言い切れますか? ましてや、あんな事があっては……」

「……確かに言い切れんかもしれんが……しかし、俺もお前も、二人が何か隠し事をすればすぐに判るだろう? あいつがいなくなる前から、俺達はあの家族に温かく迎えられていた」

「それは……そうですが」

「Aは何か掴んだようだがな、隠し事をしているようだ」

「ええ。……覚醒剤の件でしょうか?」

「さあな。だが……Aは馬鹿でも無謀でもない。身の程も弁えているからな。問題はないだろう」


「……ええ。そうだと良いのですが……」

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作者名:月下 | 作成日時:2017年9月30日 23時

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