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18場 青年 ページ22

「やあお帰り、影夜君、A君。ご飯出来てるよ」

二人が帰宅すると(白鳥が迎えに来てくれた)、一人の男が出迎えた。

「ただいまです。いつもありがとうございます、長船(おさふね)さん」

影夜がそうお礼を言う。

彼は長船光忠(みつただ)という、亡き父の部下だった男だ。

家族ぐるみでの付き合いだった為、Aも影夜も彼の事はよく知っている。

休みで暇な時は、二人きりになった彼女達を心配して手料理を振る舞ってくれる伊達な男だ。

その容姿も相まって、長船は超モテると二人は踏んでいる。

「いやいや、お安い御用さ。休みはどうせ暇だし……それに、君達の事も気になってたから」

「「……」」

彼も、知っているはずだ。

二人が今、特待生として綾薙にいる事も。そして、綾薙を揺るがす事件も。

「……君達は、大丈夫かい?」

「はい。安心して下さいよ、僕達が簡単に死ぬと思いますか?」

影夜が笑顔と共に答えると、長船は苦笑いを浮かべた。

「ごめんね。君達の事が心配だったから、つい……」

「いえ、心配して下さってありがとうございます。そんな風に言って貰える人がいるって……とても、有難い事ですから」

Aが答えると、長船は微笑んだ。

「君達は段々、あのお二人に似てくるね。……さあ、ご飯にしよう。着替えておいで」

「「はい!」」

リビングを漂う美味しそうな香りに、Aと影夜は急いで部屋に向かった。


彼の作る料理は、本当に美味しいから。

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作者名:月下 | 作成日時:2017年9月30日 23時

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