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2場 兄妹 ページ3
「え！？ 今度の綾薙祭！？」
「じゃなきゃ今話題にしないだろ……」
月皇がはぁ、と軽く溜め息を吐いた。
「A」
「……あ、兄さん」
とある場所で、一組の男女が話をしていた。
一人は少年。一人は少女。
「僕も行く事になったよ」
「え？ 綾薙の『
「向こうは男子校だからね。"間違い"が起こらないように、お目付け役を一人付ける。それが僕になった訳」
少女はつまらなそうに肩を竦めた。
「ふーん。お目付け役を同行させたからって大丈夫とも限らないでしょうに」
「キツいなぁ。何かあった時の為の保険だろ」
「その保険が裏目に出たらどうする気なのかしら」
「おいおい……」
少年は僅かに眉をひそめる。自分がそう思われていると思ったらしい。
「いくら何でも、僕はそんな事しないよ」
「知ってるよ。向こうにいる人達も、良い人そうだったしね」
少女は笑うと、兄と呼んだ少年を見上げた。
「他の二人には、もう伝えたの？」
「ああ。君を捜している間に見付けたからね」
「そう。じゃあ明日からよろしくね」
「そうだね。じゃあ僕は戻るから」
「ええ」
少年がそこから出て行こうとするも、一度立ち止まって少女を振り返る。
「……そうだ、A」
「何？」
振り向いた少女の眼が、キラリと輝く。
「――君はこの公演、無事に終わると思うかい？」
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作者名：月下 | 作成日時：2017年9月30日 23時
