元赤髪海賊団の娘は記憶喪失のフリをして盃兄弟と出会う【ONE PIECE】 (ページ9)

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第7話ページ9

シャンクスSide

数週間前、Aが行方不明になった。

海に落ちたまま浮上せず、船員数人でもぐりこみ探したが、どこにもいなかった。

ウタから話を聞けば、Aのお面が欲しく頼んだが貸してもらえず、業を煮やして今回の行動に出てしまったと。

前回の事もあり、今回もAが悪いと決めつけてしまった…

が、今回はウタの方に非があった。

あのお面は、俺たちが出会うきっかけともなったお面だった。

俺たちが初めてAと出会った時のことを話す。

俺たちが出会ったのはとある島でのことだった。

Aの両親は悪魔の実についての研究者で、政府よりも悪魔の実について詳しかった。

俺たちも噂程度で知っていたが、まさかこの目で出会えるとは思っておらず、その実について聞きたいと頼んだら快く教えてくれた。

2日ほどたったころ、娘のAは海に出て知らないものを自分の目で見るのが夢だと話してくれた。

が、俺たちは政府に目を付けられていて、島に海軍が押し寄せてきた。

実はこの家族、空白の100年についても研究をしていたようで、海軍は「手間が省けた」と俺たちを攻撃しし始めた。

家族は家に逃げ込み、俺たちは逃げることも不可能なので応戦する。

幸いにも数は少なかった。

が、気付けば数人家族が入って行った家に入り込み、数秒しないうちにその家が大爆発を起こした。

俺たちは驚き、暫くそちらを唖然と見ていた。

が、前には海軍がいる。

俺たちは海軍全てを消し、急いで爆発した家族の方へ駆け出す。

そこには何故か狐の面を握りしめたAと悲惨な姿になった家以外見つからなかった。

先程の海軍も、Aの両親も、死．体も肉片のかけらも見つからなかった。

この島にはこの家族しかおらず、子供一人を残すことも不憫に思った俺はAを誘い、船に乗せた。

と言うのが俺たちの出会いだ。

なぜ人が消えたのかは分からず、あの面は両親から最期に手渡されたものだと教えてくれた。

その面だけは渡せないだろう。

そのことをウタに離すと、彼女は顔を真っ青にして部屋に閉じこもってしまった。

…少し酷だっただろうか。と思いながらも、次あったら謝るようにドア越しに伝えてから俺自室に戻った。

何となくだがAが死ぬことは考えられなかった。

現に生きて今、フーシャ村で笑顔で楽しそうにルフィと話している。

船に乗っているときには見せなかったような笑顔で。