元赤髪海賊団の娘は記憶喪失のフリをして盃兄弟と出会う【ONE PIECE】 (ページ6)

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第4話ページ6

ふと目が覚める。

これは船に乗っていた時の癖だろうか。

窓の外に目を向けると、日の出の時間で外はまだ少し暗かった。

特にやることも無いので部屋を出ると、此処は2階建てのようでゆっくり階段を下りていく。

下は酒場のようで、昨晩の女性マキノさんが朝早くから準備をしていた。

『お、お早う御座います…！』

マキノ「あら、お早う。体は大丈夫？」

と聞かれ頷く。

マキノ「よかったわ。朝早いのね。顔を洗って座っててくれる？」

と聞かれてまた頷く。

洗面所のような所に行くと鏡があり、何となく覗く。

すると昨日君付けされた理由が分かった。

前髪が伸びて…？いて大分ボサボサしていた。

これでは一目見れば男の子と間違われるかもしれない。

が、これは好都合だ。

見た目は髪色とかは変わらなくても船に乗っていた時とはだいぶ変わっている。

これで男の子の振りをすればもしたまたまであっても私とはバレないかもしれない。

私…いや、僕は顔を洗いながら暫くは男の子の振りをすることにした。

顔を洗い終わって先程の酒場に戻る。

今は何時だろうか…先ほどに比べれば日はのぼりはじめ、明るくなっていた。

先程言われた通りカウンター席に座って待っているといい匂いがしてきた。

顔をあげると美味しそうな湯気の立つ朝食が目の前に置かれた。

コーンスープにホットサンドが2枚。

とてもおいしそうだ。

マキノ「少し早いけど朝ごはんにしましょ」

と微笑んでこちらを見る。

『た、食べていいんですか…？』

マキノ「勿論。是非食べて」

『いただきます…』

手を合わせてからホットサンドを手に取り、一口頬張る。

朝ごはんなんて、何年ぶりに食べたのだろうか。

嬉しくて、美味しくて、気が付いたら涙が出て来ていた。

マキノ「お、美味しくなかったかしら…！？」

『い、いえ…美味しいです…有難う御座います』

と涙で変に声が裏返りながら感想を言う。

マキノさんは何かを察したのか、微笑んで「そう言って貰えて嬉しいわ」と言ってくれた。

本当においしくて、何日ぶりかのご飯ですぐに平らげてしまった。

『ごちそうさまでした。本当に美味しかったです…！』

マキノ「ふふ、お粗末さまでした」

と微笑んでお皿を片付けに一度奥へ入ってしまった。

と同時に、酒場のドア…？の部分が開き、一人の少年が入ってきた。