第2話 ページ4
『…っ』
騒ぎを聞きつければ甲板に人が集まってくる。
…ここの場面だけを見れば、彼女は泣いていて、嫌われ者の私がその前に居る。
皆は私が彼女をイジメたと思うだろう。
船長さんも騒ぎを聞きつけて出てきた。
シャン「ウタ、どうした!?」
ウタ「Aが、Aが〜!」
と鳴きながら私が、としか言わない。
あぁ、また、私は【悪い子】だね。
先程まで高ぶっていた気持ちは、一周回ってどんどんと抜けて行った。
船長さんも、船医さんも、そのほかの人も、皆、私が悪い、と言う目でこちらを見る。
…ベックマンさんを除いて。
ベック「…A、何があったんだ?」
と、心配そうに私に目線を合わせるために、しゃがみながらそう聞いてきた。
その優しさに、泣きそうになりながらも弱みは見せたくなくて、泣かないようにしながらそっぽ向いた。
ほかの人は私を怒鳴りつけてる。
謝れとか、聞いてるかとか、理由を話せとか。
どうせ聞かないくせに。
そう考えていたら、いつの間にか私の前に
ウタ「こんなもの…!!」
と海に投げ捨てた。
『まって、だめ…』
急いでお面に向かって走り出す。
『やめて…それは…それは…』
柵を飛び越えて、お面に手を伸ばす。
ギリギリで、届いて、胸に抱える。
そのまま、バシャン!!と大きな音を立てて私は海に沈んでいった。
524人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シャケフレーク(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!!ദ്ദിᐢ- ̫-ᐢ₎ (7月25日 0時) (レス) @page15 id: ca72c82973 (このIDを非表示/違反報告)
乱数 - 続きが気になります (2022年12月15日 20時) (レス) id: 9239a1a2ef (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年12月4日 20時) (レス) @page12 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はちみつあめ | 作成日時:2022年11月30日 16時