5 ページ6
スティーブンside
少女から猫としての名前をもらった
それは蓮
なかなかに悪くない響きだ
少女は紙に何か文字を書き此方へ見せる
それはジャパンの漢字だった
『蓮 こう書くんです』
この少女はジャパンが出身なのか
確かに部屋の家具なども日本の物が多い
黒い髪に長い前髪から時折のぞかせる黒い瞳
これだけでも気づけたのに…はぁ
『あ…そろそろご飯の支度しないと…
蓮…待っててくださいね…
夕食…準備しますから』
「にゃ〜」
立ち上がり台所へと向かう
少女の気が別へ向いているうちにあたりを探索する
一人暮らしにしてはそれなりに広い部屋だ
逃げられそうなところはない
窓にはしっかりと鍵がかかっている
玄関は…無理だな
元いた場所に戻る
静かな室内にトントンと包丁の音が響く
少女の方へと目を向ける
何やらブツブツ言いながら小さな鍋の蓋を開け小皿におたまですくった汁を入れ味見をしている
『…よし』
出来たのか器によそって此方へと戻ってくる
机に料理を置いていく
何とも美味しそうな匂いが漂ってくる
『あ 蓮のご飯…一様キャットフード買ってきましたけど…』
そう言ってもう一度立ち上がり棚からキャットフードを取り出す
確かに見た目は猫だが中身は人間だ
流石にキャットフードは食べたくない
皿に盛られたキャットフードと少女の顔を交互に見つめる
『苦手…ですか？』
コクリと頷く
『猫ってなになら食べて大丈夫何だろう…』
机に並べられている料理の数々を見つめる
『これ 食べたいんですか？』
「にゃ」
『…大丈夫かな…』
渋々と言った感じで小皿に料理を少しよそう
『…どうぞ』
まだ湯気が立っている
猫って猫舌って言うよな
これ 大丈夫なのか？
『そういえば…猫って猫舌って聞きますよね…
冷まさないとですね…』
人肌まで冷まし食べ始める
うまい！
普通にうまい
『…それ 肉じゃがっていう料理です…
私の母国の定番料理です』
肉じゃがか
悪くない
『喜んでもらえて よかったです』
ん？もしかして やっぱり意思疎通出来てる？
…試して見るか
「ニャー ニャ」
少女君の名前を教えてくれ
『？どうしたんですか？』
ぁ やっぱりダメだった
『…可愛い…けど…落ち込んでる？…』
猫になったせいで感情がそのまま表に出てたのか…！
ブンブンと首を振りご飯を食べ始める
『…私も 冷めないうちに食べちゃお
…いただきます』
手を合わせ食べ始める
なんだか猫も悪くないように思えてきた
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彼岸花(プロフ) - 智さん» そうなんですか？！ 教えていただきありがとうございます 後程訂正させていただきます また 何かおかしな点があれば 教えていただけると幸いです (2018年5月22日 22時) (
レス) id: be11954fe9 (このIDを非表示/違反報告)
智 - あの…5話で、嬉しい時に尻尾をふるのは犬で、猫は怒っている時に尻尾をふりますよ！ (2018年5月22日 22時) (レス) id: f95649cda1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彼岸花 | 作成日時：2018年2月11日 4時
