爆豪勝己の後悔。 ページ32
side 爆豪
『霙 Aだ。皆、今日からよろしく』
数日前、突如俺達の日常に現れた男は霙と名乗った。
切れ長の瞳と灰色の髪のこの男なんて、見た事が無い。
だが、声には聞き覚えがあった。
「ひ、氷翠さん！？」
『……おう。心配かけたか？お茶子』
「死んだっていっとったのにぃ……
良かっだぁぁ……」
丸顔はなりふり構わずアイツに飛びついてバカみてぇに泣き、後ろでデクはズビズビうるせぇ。
半分野郎も、しょうゆ顔も、クラス全体が心から安堵したように笑っている。
「……」
言葉にできないイラつきと、首を絞められたような苦しさ。徐々に強くなるその感覚が、気持ち悪ィ。
『おーおー泣くなお茶子！おい消助けろ！』
「10分後に授業を再開する」
『寝袋入ってんじゃねぇ！！』
丸顔の頭を雑に撫でながら、モブ共に囲まれるアイツ。俺はその輪に入ることは無く、じっと氷野郎を見る。
……正確には、アイツの銀の右腕を。
「ッチ」
モブ共の輪の中に駆け寄る気分には、ならなかった。
.
掌が焼ける様な鈍い痛みに覆われていく。
それと同時に四散するエクトプラズム。これで何体殺したかも覚えてねェ。
まだだ。まだ足りねェ。
「もう一体寄越せや！！」
「...何ヲ苛ツイテイル？」
「っせぇ！！」
怪訝な顔をしたエクトプラズムが、渋々次の分身を出した。それに、獣のように一心不乱に食らいつく。いつもより威力が強い爆破が、容赦なく相手の胴体を焦がす。
ただ本能のままに、ムカつく心境をぶつける。
蹴って、殴って、爆破して。
一心不乱によく分からない怒りを載せて、戦う。
「かっちゃん！下見て！！」
「あ”？」
デクの声で下を確認すれば、オールマイトが通っていた。
そこに降り注ぐ爆破したコンクリートの破片。
しまった。とは思うが体は全く追いつかない。
パキッ
『...大丈夫か？オールマイト』
「ああ...ありがとう。氷翠君、助かったよ」
オールマイトを覆い隠すように現れた、氷の盾。
所々に蝶や鎖があしらわれていて、半分野郎では無いのが分かった。
「ッチ...」
自分の歯が、ガチガチと鳴っている。強く歯ぎしりをしたせいだ。
『あんま近づきすぎないでください。チョイ危ないんで
ったく勝己、後で話しような』
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ぱぁ - 最高です!作者様才能の塊過ぎ…！ (2020年9月3日 16時) (
レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
満月(プロフ) - 最高でした...ご完結おめでとうございます (2019年3月23日 20時) (レス) id: f40b4f8e5c (このIDを非表示/違反報告)
猫田。(プロフ) - 蜜さん» リクエストありがとうございます！ (2019年3月18日 0時) (レス) id: 886ecd06bb (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 完結おめでとうございます！すごく面白かったです！リクエストですが、完結後の爆豪を見てみたいです！ (2019年3月18日 0時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
藍鴉 - ヒーロー側についてほしいな〜。そんで、ラストは最初みたく普通に店開いて、雄英の絡んでない人たち(B組とか)に店に来店してほしい。 (2019年1月2日 19時) (レス) id: 7dd24527b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2018年8月25日 0時
