ライアーとヒーロー ページ22
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『……はぁ』
古臭いカウンターの向こうで、俺は酒を口にする。ここまで不味い酒はあるのかと、舌を出しながら。
安い酒に、ツマミも無し
気が許せる友も無し
それに加えて
「俺の仲間にならないか？」
「……寝言は寝て死ね」
重苦しい空気と来れば、美味い酒もマズくなる。ガチャガチャ揺れる拘束具に繋がれるのは、爆豪勝己。雄英高校1年生。
『そんなに睨まないでくれません？』
「キメェ敬語使いやがって……クソが」
『公私混同はしない主義なんですよ』
そして俺の、知り合いだ。
酒を喉に流し込みながら、死柄木と彼らの意見を耳にする。
1度の敗北で責められるヒーロー
守るという行為に対価は発生してはならない
この社会は正しいのか、否か
「君も、勝つのは好きだろ」
こちら側の人間の主張を死柄木は飄々と語る。癇癪を起こして首を掻きむしってイラついていた彼の姿はここには無かった。
その背中には、巨悪の影が見える
爆豪勝己の拘束がひとつ、またひとつと解かれていく。何を考えているのか、黙って手を見つめている。
「どうかしましたか、ライアー」
ただそれを見ているだけの俺に、黒霧が声を掛けた。セリフとは裏腹に、特に心配している様には思え無い。
『いえ、別に』
適当に返事を返して、空になったグラスを置く。そして古ぼけた丸椅子に腰を下ろした。
手前では、拘束が解けた爆豪勝己に死柄木が手を差し伸べている。
これでもう少しすれば彼も、自身の置かれた状況を把握できるだろう。そして、理解するはずだ。
「君なら、それを」
BOOM！！
狭い室内に響く、爆破音
そして床に叩きつけられる椅子と拘束具。
「無駄だよ」
「俺は、オールマイトが勝つ姿に憧れた」
「誰が何言ってこようが、そこァもう曲がらねぇ」
彼……死柄木に、爆豪勝己は屈する事は無いという事実を。
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ぱぁ - 最高です!作者様才能の塊過ぎ…！ (2020年9月3日 16時) (
レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
満月(プロフ) - 最高でした...ご完結おめでとうございます (2019年3月23日 20時) (レス) id: f40b4f8e5c (このIDを非表示/違反報告)
猫田。(プロフ) - 蜜さん» リクエストありがとうございます！ (2019年3月18日 0時) (レス) id: 886ecd06bb (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 完結おめでとうございます！すごく面白かったです！リクエストですが、完結後の爆豪を見てみたいです！ (2019年3月18日 0時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
藍鴉 - ヒーロー側についてほしいな〜。そんで、ラストは最初みたく普通に店開いて、雄英の絡んでない人たち(B組とか)に店に来店してほしい。 (2019年1月2日 19時) (レス) id: 7dd24527b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2018年8月25日 0時
