氷翠と緑谷出久 ページ4
.
溢れそうな人混みの中で、僕は呆然と立ち尽くしていた
先程まで沢山いた友人はそれぞれの買い物をするためにあっという間にいなくなってしまい
「麗日さん...どこ行ったんだろう」
急に走り去ってしまった麗日さんの消えた方向を見て、僕は頭を抱えた
……何故彼女が走り去って行ったかは分からないが、僕も買い物をしなければならない
「(とりあえず、移動しながら僕の買い物しよう)」
誰かと行動することを諦め自身の足を進めようとした、その時
.
.
『おーい出久！久し振りじゃねーか！』
久々に聞いた彼の声に、バッと振り向いた
目の前には、人の良さそうな好青年が笑顔で立っていて。
「氷翠さん！？ど、どこ行ってたんですか！」
『ちょーっと用事が長引いちまったんだよ。心配かけたか？』
悪かったよと僕の頭をワシャワシャと撫でる大きな手に、氷翠さんだって実感が湧いてきた
何故かよく分からないけれど、視界がじわじわと歪んできた
馬鹿。ヒーローが簡単に泣きそうになっちゃダメだろ……
「A！早くお買い物しようよ〜！」
『あーおう。ちょっと待ってろ！』
彼が返事を返した方を見ると、僕と同年代くらいの少女が立っていた
軽く会釈をすると、あちらも微笑んだ。とても綺麗な笑顔で思わず見入ってしまう
『おいおい……惚れんなよ？
んじゃ、またな出久。ちなみに店の方はもう少しで開けっから』
「ほ、惚れ……！？」
からかう様に僕に笑いかけた氷翠さんは、すぐにあの少女の元に走っていった
僕は慌てて声を張って
「また、お店行きますね！轟くんとか……麗日さんと一緒に！」
翡翠さんは、後ろ向きのままこちらは見ずに手を振り返した。
また、会えるかな……？店を開けるって行ってたし、きっとすぐに会える。
そんなことを考えていた僕に
「おー雄英の人だスゲー
……サインくれよ」
────僕の肩に、氷翠さんとは真逆の青白い手が、乗った
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱぁ - 最高です!作者様才能の塊過ぎ…！ (2020年9月3日 16時) (
レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
満月(プロフ) - 最高でした...ご完結おめでとうございます (2019年3月23日 20時) (レス) id: f40b4f8e5c (このIDを非表示/違反報告)
猫田。(プロフ) - 蜜さん» リクエストありがとうございます！ (2019年3月18日 0時) (レス) id: 886ecd06bb (このIDを非表示/違反報告)
蜜(プロフ) - 完結おめでとうございます！すごく面白かったです！リクエストですが、完結後の爆豪を見てみたいです！ (2019年3月18日 0時) (レス) id: 67d1cef2b8 (このIDを非表示/違反報告)
藍鴉 - ヒーロー側についてほしいな〜。そんで、ラストは最初みたく普通に店開いて、雄英の絡んでない人たち(B組とか)に店に来店してほしい。 (2019年1月2日 19時) (レス) id: 7dd24527b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めろんぱん | 作成日時：2018年8月25日 0時
