10章 仕事だから ページ9
「...お姉さんも僕の事が嫌いになった?」
私たち以外の乗客はいなくなり、二人きりの車内でQ君は私に問う
急だな……私嫌いなものは嫌いってハッキリいうよ?
『急にどうしたの?』
「だって...あんな異能力誰だって怖がるし...気持ち悪いし...
ねぇお姉さん
僕はどうして普通の人みたいに幸せに生きられないの?」
Q君はうつむいたままぽつり、ぽつりと言葉を零していく
幸せに……ねぇ
私はそっと隣に座ってQ君の頭に手を置いた
『Q君の事は嫌いじゃないよ?それに異能のことだって...私もその気持ちが良く分かる』
『精神操作系の異能力者は、皆嫌われて皆利用されてしまうのは仕方がないんだよ
でもね?』
Q君はぱっと顔をあげて私の顔を見る
彼の真っ黒な瞳と目線が合う
『それは”幸せになれない”事とは関係ないんだよ』
「如何して?」
『私も昔は悪い大人にこの異能をたくさん利用されたけど
今ではお店を開いて、毎日おいしいご飯を食べて、ぐっすり眠って...すごく幸せ』
『今は幸せじゃないかもしれないけど、いつか神様は私たちに微笑んでくれるよ』
私はぎゅっとQ君を抱きしめた
Q君は「...うん」と言って私の背中に手をまわす
時折聞こえる嗚咽と、湿った洋服の感覚は気のせいにすることにした
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こん(プロフ) - ただひたすらに中也さんがイケメンで辛い (2019年1月26日 22時) (レス) id: a9d22d7cfb (このIDを非表示/違反報告)
よっしぃ - とっても面白いですね!これからも頑張って下さい!更新楽しみにしております!…もう更新はしないのでしょうか。とても面白いのでこれからも頑張ってほしいです。 (2018年9月14日 21時) (レス) id: 383b340c0d (このIDを非表示/違反報告)
芳蓮(プロフ) - 新作の方を見てた時には、あなたが書いた作品だと気づかずに、即お気に入り登録したんですけど、道理で面白いと思いましたよ(笑)更新楽しみにしてます! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 5cc5c68814 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - りとさん» ありがとうございます!最近は少々忙しく更新が止まってしまいましたので、これから沢山更新していきます! (2018年3月23日 12時) (レス) id: 190690f0c1 (このIDを非表示/違反報告)
雪アリス - とても面白い小説ですね!続編おめでとう御座います。 (2018年3月20日 13時) (レス) id: 520c0ccdc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2018年3月19日 22時