頼むから寝てろください！弐！

10章 仕事だから ページ4

「景色がきれいだね！」

『そうだね！緑豊かでとっても素敵...！』



私はＱ君を膝に乗せて、ガタンゴトンと揺れる列車の座席に腰を下ろしている
そう、今日は作戦実行の日である


『あと五分くらいで標的(ターゲット)の事務員の女性二人組が乗ってくるから...』

「その二人は呪っちゃ駄目？」

『駄目かな〜でもその後に合流する調査員はいいよ！』



私達今凄いアウトな会話してるな……
まぁ、端から見れば姉妹か親子に見えない事もないのに加え小声だしセーフ！


……と信じたい



「...ねぇお姉さん

僕はこの作戦が終わったら、あのジメジメした場所へ戻るんでしょ？」

『...私には分からないかな』



急なＱ君の問いに私は答えを濁すことしかできなかった
一時的に自由の身とはいえ彼は昔マフィアの人間を惨殺した張本人



……きっとゆっくりと私と話す機会も目に見えて減るか二度とないだろうね




「そっかぁ...

ねぇお姉さん、異能も使わないようにするし、いい子にするから...だから「キャァッ」




Ｑ君の声をかき消すように、車両の後方から女性の悲鳴が聞こえる
……標的が予定どおりに列車に乗り込んだのかな？




『Ｑ君、何か言った？』

「...なんでもないよ！」



私はＱ君の言葉を聞こえなかったことにした
あの言葉の続きは、私には絶対に応えてあげることが出来ないものだろうから、ね



(...このままあの言葉の続きを聞いてしまったら)

(情が邪魔をしてあなたに別れが告げられなくなりそうだから)

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