1章 現実は小説より奇なり ページ8
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「え?で、でもあんなに血の匂いがして……あんなに冷たかったし……」
ワタワタと手を動かしてる敦さんは、たいそう混乱しているみたい
その様子を見た太宰さんは、ゆっくりと私を地面に降ろした
手は、しっかり掴んだままだけど
「そうだねぇ。確かに心臓は止まっていたし、確実に死んでいたよ
だからこの娘は……」
右手の温もりが、スルリと離れた
途端に身体はさっきの状態に元通り。足が地面からふわりと浮いた
「幽霊、じゃないかなぁ」
「ゆ、幽霊!?!?」
真剣な顔をしてそう言い放った太宰さん
それを聞いて再度固まる敦さん
『いや、さっき体を得たから幽霊じゃないと思うんですけど』
そして、両者の表情を見て呆れる私
暫くの間変な沈黙が続いて、口を開いたのは
「なーんて冗談だよ!
彼女は恐らく異能力者だと思う……よ……って」
『……もう』
嗚呼、より一層可哀想な敦さん
あちゃーと頬をかく太宰さんの手に触れると、また私は肉体を得た
そして呆れながら、ひとこと
「…………きゅう」
『彼、驚いて気絶しちゃったじゃないですか』
「こ、これは予想外だったかなぁ。なんか、御免ね?」
謝るなら、彼に面と向かって謝って欲しいです
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めろんぱん(プロフ) - よしなさん» ありがとうございます! (2019年1月2日 23時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
よしな - とっても面白いですね!正月時で忙しいとは思いますが更新頑張って下さい!とても楽しみにしております! (2019年1月1日 20時) (レス) id: 383b340c0d (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - Rei@すいオレ,さん» ありがとうございます! (2018年12月31日 22時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rei@すいオレ,(プロフ) - 更新頑張って下さい!! (2018年12月31日 18時) (レス) id: f1f3cb152e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 家から出たくない主義さん» ありがとうございます!頑張ります|ω´) (2018年12月30日 18時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2018年12月28日 17時