2章 少女と異能と死と ページ18
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「それで、お前は死んでいるのか」
『一応死んでるらしいです。ハイ』
また無言の時間が続く
もうこれで何回目か分からない。いや、怖がってるのが悪いんだけど
現在、脳内に浮かぶのは"助けて太宰さん"の文章だけ
ほぼ社長の福沢さんと一体一の状況に、最早震えるしか出来ない
そう。私はさっきからずーっと小刻みに震えてる
スマホみたいに、プルプルと
「……ふふっ」
『(後で、絶対呪う……)』
頼みの綱の彼はビビる私を見て笑ってる
反撃で右手を抓っても涼しい顔。子供の力って、弱い…
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「それで」
沈黙を破ったのは、福沢さんだった
だって私に声を発する勇気はないから。ごめんなさい、本当に
もう怖い。家帰りたい……もう無いけど……
「……探偵社に居たい、という話だが」
『は、はい』
三白眼が私の真ん丸の瞳を射抜く
心做しか表情が厳しくなってきた気がする。もうダメだ、断られる……
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「好きなだけ居るといい」
『………………へ?』
「だから、お前が心ゆくまで探偵社に居ればいいと言った」
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「太宰、この娘の後は任せる」と言い残して、福沢さんは立ち去った
ドアがパタンと閉じた事を確認して、私はずるっとソファーに倒れ込む
寿命が縮む……というか、この世からの消滅が早まった気がする
そんな私の心情なんて無視をして
のうのうと話しかけて来た唐変木さんが、1人
「善かったね!じゃ、これからの事を──」
『……太宰さん、本気で嫌いです。異能力無かったら触りたくないです』
「少女に真顔で言われると流石に私でも……傷付く……」
『そんなの知らないです』
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めろんぱん(プロフ) - よしなさん» ありがとうございます! (2019年1月2日 23時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
よしな - とっても面白いですね!正月時で忙しいとは思いますが更新頑張って下さい!とても楽しみにしております! (2019年1月1日 20時) (レス) id: 383b340c0d (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - Rei@すいオレ,さん» ありがとうございます! (2018年12月31日 22時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rei@すいオレ,(プロフ) - 更新頑張って下さい!! (2018年12月31日 18時) (レス) id: f1f3cb152e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 家から出たくない主義さん» ありがとうございます!頑張ります|ω´) (2018年12月30日 18時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2018年12月28日 17時