2章 米国にて ページ7
『今回のお宅は……こちらかな？』
私は依頼人から貰った宛先の地図を片手に、大きな家を見上げた
毎回ゼルダさんと(一方的に)会うのは違う場所で、一応北米だけど
北米国とか……いろんな国にある別荘で会いに行くのはコチラから……めんどくさい
ま、はやく終わらせて観光しようかな
「奥様はこちらでお休みでこざいます」
『ありがとうございます』
使用人に案内されて一際豪華なドアを開けた
その向こうには、すやすやと眠るゼルダさん
その手には管が何本か繋がっている。五日間眠っても栄養面の支障は無さそうだ
『お久しぶりです奥様』
まぁ……貴女は私を知らないのだけれど
『そしておやすみなさい』
私は彼女の目元にそっと手を置いて呟く
暫くすると、「久しぶりね……愛しい私の娘……」という少し涙ぐんだ寝言が聞こえる
『……哀しいものだね』
『これも愛ゆえの行動かぁ』
そう言った私の顔は一体どんな表情だったのだろうか
『終わりました』
部屋から出ると使用人が数人、部屋の近くにパタパタと駆け寄ってくる
「……ありがとうございました」
『奥様は5日間お休みになられるので
"5日たったら皆で娘は帰ったと伝えろ"とフィッツジェラルド様が』
その言葉を聞いて彼らはなにか言いたげな顔をして「はい」と答える
……あの人たちの愛の形が歪んでいると解っているんだろうな
愛するからこそ嘘をついて騙し続ける
夫は妻を
妻は自分自身を
『それに私が関わっていると思うと……ちょっとねぇ』
今更ながら自分のしたことに後悔して無くもないかな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
錐 - みたらし団子をお手洗い団子と読んでしまった・・・ｗｗ (2018年3月28日 14時) (
レス) id: 42d712d7a6 (このIDを非表示/違反報告)
硝子玉。(プロフ) - めろんぱんさん» なるほど。 (2018年3月21日 0時) (レス) id: ec7a4f0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 硝子玉。さん» ご意見ありがとうございます！たしかに夢は浅い眠りの時ですが、夢主の異能で眠らせると"深い眠りかつ夢を見る"という設定ですので、異能力だからだと思って頂けるとありがたいです…… (2018年3月19日 17時) (レス) id: 190690f0c1 (このIDを非表示/違反報告)
硝子玉。(プロフ) - 夢を見るのは浅い眠りの時ですよ。 (2018年3月19日 16時) (レス) id: ec7a4f0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - りんずさん» ありがとうございます！ (2018年3月18日 21時) (レス) id: 190690f0c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めろんぱん | 作成日時：2018年3月12日 19時
