04.スピード ページ5
【ダイヤの4】
という事があってから一日も経たず、帝統と再会したのは翌日の朝だった。私の住むマンションの前で座り込む見慣れたやや長めの髪。
Fling Posseのトレンドマークが刺繍されたコート。やけに洒落た雰囲気とやはりホームレス感がある小汚さが同居した男の姿。
『帝統?』
「……うっ、A〜！！」
私が声をかけた途端にくるりと振り向き、犬のように飛び付いてくる。この様子じゃ昨日は大負けだったのだろう。自業自得だと言いたい。
『服までは賭けなかったんだ』
「いや、賭けたんだけどよ。乱数に電話したら服だけ買い戻してくれた」
『じゃあ何で此処に居るのかな、帝統君?』
「それがよォ、乱数の奴ってば今日はオネーサンと遊ぶからって服買い戻したら帰りやがって。最後まで面倒見てくれたってイイのにな」
『えぇ……』
何だその犬を拾ったら最後まで、みたいな。そんな理屈で大の男を家まで連れて帰るとか嫌だ。まず服を買い戻してくれただけ感謝しろ。
言いたいことは山程あるのに言葉には出来ず、諦めたように溜め息をついた。ついでにゴミ捨て場に持っていくゴミ袋を帝統に押し付ける。
「な、何だよ」
『ゴミ捨ててきて。此処で待ってるから。そしたら朝食ぐらいは作ってあげる』
「本当か!?あ、ありがてぇ。んじゃ、ちょくらパパッと置いてくるぜ！！」
ヒュン、と風を切って駆けていく帝統。ぼんやりと見つめてから数分後。何故か着物姿の男性。夢野幻太郎を連れて帝統が帰ってきた。
「成る程、彼女が例の女性ですか」
「……ん、まぁな」
「初めまして。小生はデザイナーの飴村乱数と申すものです。いつもウチの愚かなギャンブラーがお世話になっております」
『い、いえいえ』
「オイオイオイ!!お前は夢野幻太郎だろ?」
「勿論、小生お得意の嘘です」
にんまり。狐が相手を上手く化かせて喜ぶかのように、口角を釣り上げて笑う夢野先生。何故連れてきたんだ、と帝統を睨み付ける。
その本人はそんな視線に気付かずに私と彼の腕を引っ張り、エレベーターに乗ると手慣れた手付きで私の住んでいる階数のボタンを押した。
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すたぁあろぉー - 甘々、独占、ときて略奪…うん。好きです。 山田君とのお話の題名、日を分けて全て作ってみましたが、全て私好み味でした！ そしてやっぱり設定が細かい…！すきぃ…もうめっちゃ応援してます！！ (2021年2月5日 0時) (
レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セニオリス | 作成日時：2019年8月18日 9時
