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恥ずかしさのあまり何も言えず、精一杯ただ首を縦に振った私を見届けると同時、お姫様抱っこをして何処かに向かう。
「あの、重いので下ろしてください(⌒-⌒;)」
イ「あ?舐めんなよ?こんなん屁でもねー」
「それに何処に行くの?///」
イ「どこって寝室に決まってんだろ。これからヤんだから」
「⁄(⁄ ⁄ ⁄^⁄ ⁄ ⁄)⁄カァ〜」
あれよあれよとしてるうちにあっという間に寝室へと到着した。
寝室に入ると、いつも寝ているベッドにポスっと寝かされ、暗い寝室の中見下ろされた状態でイザナくんと目が合い、彼のキレイな薄紫色の瞳が私を見つめ、まるで繊細なものが壊れないように優しく優しくキスをしてくれた。
「イザナくん、いつも以上に優しいね…」
イ「そりゃそうだろ、やっとAと全部繋がれるからな。」
「やっと…?」
イ「この日をどんだけ待ったと思ってんだ?」
「イザナくんはやっぱりそーいうことシたかった?」
イ「当たり前だろ。でも本当にいいのか?」
「え…?」
イ「…昔のことがあるだろ。」
「…」
イ「…やめるか?」
「っ、ヤダっ!やめない!」
イ「…ホントにいいのか?」
「うん」
イ「怖くなったら言え、やめるから。」
「うん」
昔…私は異常な“愛”を受けていた。いや、あの時は“異常”を“異常”だと思わなかった。
それは私の両親にあった。
私の両親は仲が良く、近所の人も認める仲のいい家族だった。でも、それは偽り…
父親は母よりもワタシを“愛していた” その“愛”は子供を愛でる“愛”とは違い、女としての“愛”だった。
父『A、俺が本当に愛してるのはAだけだよ。』
『お父…さん。』
父『大丈夫、これは普通のことなんだ。だからAは安心してお父さんに任せなさい。』
『ヤダっ、お父さんやめて!』
父『っ、お前はお父さんを愛してないのか!? 』
『え…』
父『俺はこんなに愛してるのに!!』
『あ…アァ…』
父『なぁ?わかってくれるだろ?Aだけなんだ、俺にはAしかいないんだ…』
ギュッ
『…』
父『アイシテルよA。』
何度も合意のない行為をした、普通の親では決してない行為を…
母の目を盗み、何度も、何度も、何度も、父と身体を重ねた。
そして母もそれをわかった上で野放しにした。
痛く、冷たく、無慈悲で、イカれた、狂った“愛”。
いつしか本当の“愛”がなんなのかわからなくなった。
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作者名:名無し81060号 | 作成日時:2020年8月26日 15時