*24-1. ページ8
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「────────…………んぅ、………………」
目を開けると、周囲全てが白い景色だった。
自分はその中で横たわっているらしく、
だけど何故か身体を思うように動かせなかった。
ここは夢なのだろうか。
夢だとしても、この熱さは体感したくないのに。
あと左腕が何故か思うように動かせない。
それどこか、肘辺りだけが人為的に
水を入れられているように冷たかった。
高熱特有の涙がぼろぼろと零れ始めている。
茹だるような熱さ、なんてのは
今まさに自分の身体が体感している。
熱さに全てを持っていかれるように、
日中感じていた頭痛はいつの間にか消えていた。
「ッッ!!A!!!」
白一帯の景色の中から、
さっきあんなに助けを請いたかった彼の、
衛輔の声が聞こえた。
声がした右の方向へ瞳だけ動かすと、
その大きな瞳には焦りの色が帯びていた。
私は今どんな夢を見ているんだろう。
「あれ、……ゆめ、みてるのかな…、」
「ッ?A??」
ぼろぼろ流れ続ける涙を止められることは出来ず、
まるで靄のかかった世界に1人だけ残されたような感覚で、
だけど私だけじゃなく衛輔もいてくれている。
体育館では1人だけだったのに、
神様は気分の向くまま、
私によく分からない夢を見せてくれているようだ。
「なんだろ……は、…ッふしぎ、なゆめ……でも、からだ、あ、つい、………」
衛輔は何か言いたげな顔をしているけれど、
ここが夢であるせいか、
そんな顔もなんだかいじらしくて可愛く見えた。
そんなに可愛い顔を見せてくれているのに、
私は茹だる熱さに耐えきれなくて、
浅く呼吸をしてしまう。
夢なのに、変なの。
「……ッ゙、ほんと、は………、もりすけに、…でんわ、して、………ったすけ、もとめ………た、のに、からだ……うごかな、っっくて………はぁ、でも…いて、くれた………ぅ、れしい……………」
「ッA、」
涙が視界を邪魔する。
いつもと違う衛輔を見たいのに。
夢なんだから見ておきたいのに。
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月18日 5時