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「ひえ…。泣きすぎたせいで目が腫れてたのと、顔を見た時にクマがあって少し顔色悪く見えた上に、疲れが身体に蓄積されてるなぁって思って…。いや疲れは皆一緒だって思って、だけど顔色の悪さと目の腫れは心配されたくなかったので…。こっそり持ってきてたコスメポーチを手にしてトイレ行って、お湯で温めたハンカチで目の腫れ引かせて、化粧でクマ隠しとチークとリップ塗って…はい…誤魔化そうとしました…」
『……。』
『はぁぁぁ…』
『ふぅぅぅ…』
もはや3人はまともは言葉を発さなかった。
鉄君は黙り込み、信君と衛輔はそれぞれ違うため息をついている。
「……しばかれます?」
『『『しばく』』』
恐る恐る聞いて、即答である。
返ってくる答えは分かっていたけれど。お気づきだろうか、諌め役である信君までもしばくと言っているのだ。あの海信行が。
「泣くよ。鉄君と衛輔は性格的にまだ分かるんだけど、信君までしばくって言ってるの、マジで泣くよ。」
『知るかそんなもん。てか今俺と夜久限定でサラッと失礼なこと言ってたかんな?』
『流石にそれはないだろうA。化粧で隠そうとしないで欲しかったな。』
『俺キレすぎて何も言えねぇけど、黒尾と海と同じ気持ちってのはちゃんと分かれよA』
「はい…」
私が3人の立場で、3人の誰かがあの日の私と同じ行動を取っていたとしたら、今の3人と同じくらい怒るだろう。さっきの考えを心の中で復唱して、3人の怒りをしかと受け止める。
『そんな中で、熱中症対策に色々動いていた訳だな。その点に関しては俺ら選手側は感謝してもしきれないが、自分がもっと動くだろうなとはAは思わなかったのか?』
「信君の言う通り思ったけれど…。あと2日だから耐え抜くっていう無茶が念頭に置いてあったわけで…。動いておけば頭の痛みも疲れも忘れるだろうし、皆に心配されないだろうっていう安直な考えを持っておりました……。」
『……Aの罰ゲーム、どうする?』
『だな。それは俺ら3人でしっかり話し合わねぇと』
『Aの弱みを知ってるの、きっと楓ちゃんだろうな。楓ちゃんの連絡先この前の合宿で交換してるから、俺から聞いておくよ』
「本人の前での言わないでいただけますか」
『心配かけたヤツが言える資格はねぇ』
『とびきりの罰ゲーム、楓ちゃんと考えてやっから次の部活覚悟しとけよお嬢さん』
『二人とも落ち着け。俺もだから』
「こんなに『落ち着け』が怖いこと、かつてあっただろうか」
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月18日 5時