【HQ】ヘーゼル色の光・3【夜久衛輔】 (ページ31)

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合宿も終わり、3日間のオフ。

初めて臨んだ梟谷グループの合同合宿で、最終日直前で熱中症と過労で倒れてしまった。このオフが終わって2日部活に行った後は、音駒だけでの合宿がある。それに備えるべく、Aはこの3日間でとにかく疲れを癒そうと外出もせずただ療養に努めようと決意していた。

今日は夜まで誰もいない。お昼ご飯で消化が良い上にA自身も好みで体調が良くても食べがちな、大根おろしと梅干しを入れたうどんを自分で作って、いつもよりかなりゆっくりと食べた。

大量にある夏休みの宿題もこの3日間では何も触れずにいようと思い、合同合宿から帰ってきたその日に疲れた身体に鞭打って、宿題を済ませる計画に変更の手を加えた。

ベッドに横になってスマホで何となく惰眠を貪るかのように過ごしていた。何かにのめり込んでいないとと落ち着かない性分であるAにとって、こんなゆっくりと何もしていない時間はなく新鮮でありながらも『こんなに何もしていなくて大丈夫なのだろうか』という不安も脳内でチラつく。しかしそれを見て見ぬふりしてスマホの液晶に映される様々なものを見ていくうちに睡魔が訪れ、流されるように微睡んでいた。

「───────っ、」

自身の手で持っていたはずのそのスマホが、LINE特有の通知音を盛大に響かせていた。その通知音の音量でAの微睡んでいた意識は突如浮上した。

「ッ！てつくんからだ、」

スマホの液晶で誰からのLINEなのかと確認すれば、それは黒尾からであった。部活のことで何か連絡かと思い、半ばぼんやりしていた意識が完全に覚醒して寝返りを打ちながらLINEを開く。

黒尾鉄朗A、ちゃんと身体休めてるか?
Aうん、ちゃんと休めてる。
お気遣い嬉しい、ありがとう
黒尾鉄朗それなら安心だ
黒尾鉄朗体調はどうだ?
Aめちゃくちゃゆっくりしてるとは言え、割と身体の疲れが残ってるかな。
黒尾鉄朗そりゃあ、お嬢さんフルスロットルに動いてらっしゃったから、疲れも相当なものでしょう
Aでも次の部活までには復活してる、というかさせるから大丈夫だよ
A流石は音駒のキャプテンだね、気にかけてくれてありがとう