【HQ】ヘーゼル色の光・3【夜久衛輔】 (ページ29)

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『今のAが出来ることだけやればいい。後は俺らがやる。』
『元々Aがマネージャーとして入ってくれるまでは俺らが全部やってたんだ。研磨達にもいい刺激になんだろ。任せろよ、Aは無理せず自分に出来ることだけ、な？』

衛輔が昨晩タクシーの中で言ってくれたように、私が今日の練習でやっている仕事と言えば、ベンチに座って記録付けのみであった。マネージャーとして私が動いている仕事、ケンマ達後輩ちゃんもテキパキと動いてくれて助かっている。衛輔の言う通り、いい刺激になっていることだろう。

仮に私達4人が引退して卒業して、その後マネージャーが必ず入ってくれるとも限らない。その為にももしかしたらいい機会だったのかも、なんて思った。

マネージャー1人、決して良いという訳じゃない。

ホントは梟谷が、水春が羨ましいと思ってる。
周りは皆自分と違う男子だし、その中で紅一点という状況を良く思ってない人は間違いなくいる。ドリンクカゴ運ぶのは慣れたけど重いし、記録付けも疲れてる時にやるとどこか間違ってないかと不安になる時だってある。

でも私は、心からやりたいと思えた事だから、続いている。
自分以外のマネージャーになる子達も、そう思ってくれる子達の方がいい。

それと酷いことをもう潔く言うが、今のところ私1人で音駒男バレマネ業回っているので、現状維持でいいかなと思っている。酷いと思うことは自覚済みなので、どうか悪く思わないで欲しい。

「A、無理してないか」
「あ、衛輔。お疲れ様。うん、皆私のことすっごく気遣って動いてくれてるから、おかげさまで記録付けしかやってないよ」
「当然だ。いつもプレー以外のことは俺ら皆、Aについ任せちまってるから、これくらいはさせてくれ」