*28-1. ページ24
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「────────少しは落ち着いたか?」
「はい……逆に泣くとか、一周まわって、更に恥ずいことに気付いて、ですね、はい…本当、すみません……」
「一周まわったのか、何が」
「情緒が」
「なら良し」
ずぴ、と鼻を鳴らしてAの涙がようやく止まる。それを合図にAの傍に更に寄せていた椅子をベッド傍の所定の位置に戻して腰掛ける。
熱で少し話す速度がゆっくりめのAへ向かって、頭に疑問符を浮かべながら区切りをつけるように俺は良しと呟く。まだ体調は優れなさそうだが、話すことはいつも通りに戻りつつあるな、と確認してから、口を開いた。
「あのな、A」
「?なに、衛輔」
その声が聞きたかったんだ、と思いながらも、さっきのどろどろしたような抱いてしまった気持ちを内緒にするのは、俺にとって毒な気がした。
「───────その、夢かと思ったら現実だったってやつ。俺らだけの秘密な」
あくまでいつも通りに。だけど心臓はいつもより緊張してバクバクしていて。言っちまった…と思いながらAの目をしっかり見て、さっきどす黒いような何かの感情を思ってしまっていたことをついに口に出してしまった。
「そうして、いただけますと…こちらも、幸いです……えぇ…非常に、お恥ずかしい、限りで………」
「違う、そういうことじゃねぇ。…いやそういうことなんだけど……」
「?どういう、こと、」
「っ……!!他のヤツらの前で!あんな無防備に甘える姿絶対見せんなッ!!せめて俺だけがいるところでやれ!!」
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西 - この方角に福があるはずです
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月18日 5時