*26-3. ページ17
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「うで、つかま、っれたの、びっくり……し、たけど、……すこし、……すこ、…し……は、…っ………、ッどきって、したん、……だぁ……はぁ…、……はず、かしく……て……にらんじゃ、たの………ご、めん……っ……っ…」
……ドキッと、したのか、?
近寄り難い雰囲気を持ってしまってるAには、男子にいきなり腕を引っ掴まれる経験なんて、きっと今までないだろうからな…。
もしかして、そういうことに免疫がないのか?男子部員に囲まれることには平気なのに?
あとAが謝ることじゃねぇ、俺が言わなきゃならねぇ言葉なんだ。きっとAは『大丈夫だよ、こっちも恥ずかしくて睨んじゃったし……』なんて言うだろうな。何がなんでもこっちの謝罪、聞き入れてもらうからな。
「…はなぢ、でて……、からだ、きつく…っなった、……、とき………、もりすけの、かお……うかんで、……は、ぁ゙……、っ……たすけて、…ッここに、……きて、って………いう、つもり………だった、」
体育館を後にする時、Aと一緒に出れば良かったと何度悔いただろう。だが俺の顔が真っ先に浮かんでくれたのは、正直めちゃめちゃ嬉しい。
でも、Aは溜め込みすぎだ。そうなる前に、これからは頼って欲しいと思ってるんだぞ。
「……だけ、ど………いま、……きて、くれたんだぁ………、やさしい、……うれ、しい………」
こんなに苦しそうになった後じゃ、倒れてからじゃ、遅ぇに決まってるのに。こんな俺に優しいなんて言葉、かけるんじゃねぇよ。
本当は全部声に出して目の前のAに伝えたい。
だけど全てを吐露するためのたった数秒で決めた、苦渋の決断だ。
「もり、すけ………てぇ、ほほに、…そえて、ほしい…………」
すると今まで以上に涙を流しながら、掠れた声で俺にこう言葉をかけた。本当は、気を許した相手にはこれくらい甘えるのだろう。あんなにしっかり者で、芯の強さも気の強さもあって、気が利いて何でも出来るAの可愛らしい一面を俺1人で独占している事に気付いて、ほんの少しの優越感を自覚した。
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月18日 5時