【HQ】ヘーゼル色の光・2【夜久衛輔】 (ページ47)

今日:18 hit、昨日:60 hit、合計:22,469 hit

＊21-5. ページ47

・

「とりあえず今は、まだ使ってないアイスノンで身体を冷やそう。冷やす場所は分かるよね？」
「もちろん！」
「私は先に移動してエアコンつけて、冷やすものとかOS-1とか準備するから！」

この合宿中、森然側の養護教諭は休みである。しかし保健室は、どういう処置を何日に行ったのか、どの用具を使ったかなどを記録する形で使用しても良いことになっている。なのでもしもの事があれば自分たちで対処、もしくは病院に行くしかない。
朝から続いているズキズキ頭痛は、そのままどころか、何故か時間が経つにつれ酷くなってしまっている。それを否定するかのように、Aは体育館から少し離れている保健室へと駆け出した。

「────────お疲れ様でしたァ！！！」

休憩時間を細かく設けたとは言え、高い気温の中でずっと動いていたことから、この日の自主練は指導者側の指示で禁止となった。
選手とマネージャーの境界線なく片付けに取り組み、後は夕食を取って入浴、少しの自由時間、そして就寝。疲れた足取りで部員達は食堂へ向かっていた。

「───────よし、今の子で最後だね」

体育館を後にし食堂へ向かう選手を見届けて、Aは確認がてらそう呟く。
体育館を施錠して指導者側に鍵を渡すのは、各校のマネージャー日割り分担をして担っていた。今日は音駒、つまりAが鍵を施錠する日であった。

(まぁ流石にこの暑さだったし、禁止って言われていたから自主練する子はいないだろうけど…)

今いる全体で使う体育館、それ以外の体育館も1度確認してから食堂へ向かおう。木兎辺りが練習していても違和感がない。ごめんな木兎。脳内の片隅でそう思いながらも今後の計画をざっくらばんに立てて動き始める。今いる体育館の電気を消し、鍵を締めた。