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「───────やーばい、本当に暑ぃな」
「やめろ夜久、もっと暑くなるだろ」
「衛輔の言うことも信君の言うことも分かる…この涼しい森然ですらも最高気温36度だって……。ホントこまめに水分補給して身体も休めてね。私達マネージャー側もいつもより頻繁にドリンク作りやってるし、説明あったように休憩時間今日は多いからさ」
「ありがとうなA。マネージャーさんは分かってるとは思いますが、こまめに水分補給なさって下さいね」
「鉄君もお気遣いありがとう。助かるよ。」
同い年3人組と話している時のAは、やはり研磨を含む後輩や他校マネージャーと話している時よりも、どこか自然体であった。もちろん親友の水春と話す時ももちろん自然体ではあるのだが、水春と築いている友情とは違う友情が、既にがっちりと築き上げられていた。
「そろそろ練習試合始まるから全員ボトル頂戴!!」
音駒ベンチ前で水分摂取をしていた部員に1度でハッキリ聞こえるようにAは大声を出す。次々と手がAの元に伸びてくるが、それに動じることなく各部員からテキパキとボトルをその小さな身体で全て受け取っていく。
(というか、昨日衛輔への気持ちを自覚してしまった訳だけど、いつも通りを装えているだろうか…。)
夜久への恋心については尋問されてようやく自覚したと言ったところだが、Aの『バレーの邪魔をしたくない』という気持ちも恋心と同じくらい強く揺るぎないものである。よって傍から見れば先日と何一つ変わらない対応をしているのだ。
Aの気持ちを知っている梟谷学園の雪絵・かおり・水春ですらもその姿を見て「昨日の話は本当だったのだろうか」と僅かに揺らいだ。
しかし夜久からボトルを受け取り、試合開始前の整列に走って向かう夜久の姿をほんの一瞬だけ切なげな眼差しで見守っていたAを見て、梟谷マネージャー3人組の揺らいだ疑念は払拭された。
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月14日 2時