【HQ】ヘーゼル色の光・2【夜久衛輔】 (ページ43)

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昨日、ついに認めてしまった。
彼への気持ちを。

でも、バレーのために邪魔したくないのも事実。
それを吐露したら、3人は「Aらしい。応援するよ」と笑って受け止めてくれた。その優しさにもたまらず泣いた。

「────────ッッ…………」

そのため、酷い頭痛と共に意識が浮上した。
いつもは朝が苦手な自分が起きるのが最後だが、この日はまだ起床時間より1時間半も早く目を覚ました。大泣きした時より目は腫れていないが、普段よりは少し腫れている。何も映さないスマホの液晶越しに見える自分の目を見て、すぐにそう思った。

心配かけたくないから、その目をどうにか元通りにしたい。
そう思ったAは予備のハンカチと普段誰かの前では見せることのないポーチを手にして、他のマネージャー達を起こさないようそっと部屋を後にした。

合宿6日目。
明日の夜にはこの森然を発って慣れ親しんでいる音駒へと戻る。

スマホに表示される天気予報のニュースで確認したが、今日と明日は全国的に気温が大きく上昇するらしい。比較的涼しいこの森然がある場所ですらも気温は35℃以上を予測されている。

今日はいつもよりもうんと熱中症対策に力を注がなくては。まだ部活を初めて数ヶ月の1年生はもちろん、2年生3年生も、疲れがピークに達している頃だろう。ドリンク作りが忙しくなりそうだ。それ以外にもきちんと汗を拭けているかとか、休憩時間を少し多く回数を設けた方が良さそうだとか、訪れる時間に対してやるべき事ややった方が良さそうな事を、いつものように思考を巡らせる。

「………………っ………、」

お湯につけたハンカチを目元に当てて、Aは頭痛以外の違和感に気付いた。