*20-3. ページ41
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「ふぅ〜〜〜〜〜ん???」
「ねぇ、できるかもって思ったって前に何か言おうとしてなかった〜?」
「思いましたそれ!A何があったのか言いなさい!」
「水春年下なのに強い。頼りになるわ」
「かおりさんありがとうございます。私はAとは小さい頃からの付き合いなんで!これくらい言わないと言ってくれないんですよAは!」
「やばい、どっちが先輩なのか分からなくなってきた……」
「はいはいそういうのはいいから、何があったんですか〜音駒のマネージャーさ〜ん」
かおりは気を利かして4人分の冷たい飲み物を渡して、雪絵がAの分の飲み物を渡しながら何があったのか話すように仕向けた。よく冷えたミネラルウォーターの冷たさが、Aの手のひらの温度を心地よく冷やし始める。逃げられない、そう直感で感じながら、降参するようにAは口を開いた。
「……ボール、受け止めてくれたんだ」
「ボール〜?」
「ッ!!!青春の気配を察知!!!」
「水春、気持ちは分かるけども」
「うん……、その、手が塞がってた時に凄く強いボールが飛んできて、しゃがむにしても間に合わないと思って、蹴ろうとしたら」
「蹴ろうとしたらって強い……」
「薄々思ってたけどAって結構自分で何とかしようみたいなとこ、あるよね〜。それで〜?」
「蹴れるかもって思ったんだよねあの時は。それで、その、…目の前に衛輔がいつの間にか来て、ボールを上にふわりと飛ばして……受け止めてくれた」
「はぁぁぁぁッッッ!アオハルっっ青春!!!」
「やばい、水春が悶え始めた」
「そこで恋に落ちた訳か」
悶える水春、宥めるかおり、状況把握に努める雪絵。その最後の雪絵の発言に対して、Aは少しだけ不服そうに口を尖らせて小さな声で反論する。
「…………ちがう」
「どう思ったのその時の夜久のこと」
「……………っ、かっこいいって、おもった」
「これが恋じゃないってこと、あります?」
「ないです雪絵さん」
「これで好きじゃないなんてこと、ある?」
「ないですかおりさん。A、認めなって」
「………。はぁぁぁぁぁ……」
スキンケアした直後の頬を両手で包み込んで、Aは深い深いため息をついた。
「…………好き、なんだね。私、衛輔のこと……」
嗚呼、またあの苦しい心地を抱えなくてはならないのか。
3人に黄色い声が上がる中、掠れた声でAは夜久に特別に抱いている感情に『好き』という名前をつけて、確かめるようになぞった。
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月14日 2時