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「まぁでも、誰がキャプテンになっても私は違和感ないし、皆キャプテンの役目全うするだろうし、きっと今以上に良いチームになるんだろうなって思う。そんな皆をプレー以外という場面でバックアップ出来るなら、私にとっては何よりのやりがいだな」
「そっか、Aらしいな」
「ホント?」
「あぁ。そうだA」
「ん?」
隣を歩く衛輔の足がピタリと止まる。
止まったことに驚きながらも、自分も衛輔に合わせてその場で止まった。
「ッ………っ。」
そして外灯の光に照らされる彼の表情は、いや瞳は。
片付け中に声をかけた時のあの瞳と同じだった。
まるで獲物を逃がしてたまるかと言わんばかりの猫のような瞳。
『目を逸らしたらいけない』なんていうような錯覚に陥ってしまいそうなもので。バレーボールに向き合うために短くしているのだろう色素の薄い髪。それと一緒に誂えたかのような、宝石のように綺麗なヘーゼル色の瞳が、どうしてかどろりと濁った
「───────先輩と何話してたんだ?」
さっきと言い今と言い、いつもと少し雰囲気が違う衛輔にどこか戸惑いという感情を覚えていたら、衛輔が放った言葉は私が抱えてしまっていたナーバスな気持ちを突き止めるものであった。
嫌だ、悟られたくない。
マネ業ありがとう、いいえそんな事ないですよって言われてたんだよって話をして、早く電車で別れればいい。
「っ。あぁ。」
ざっくりと計算した後に、なんだ、と言わんばかりの相槌のような反応を声に出してしまう。いや、わざとそれっぽく声に出したという方が正しいだろう。この声に対して、衛輔の表情が僅かに変わった。
「先輩にマネージャーなってくれてありがとうって言われてただけだよ。感謝してる〜って言われて、褒めても何も出ませんって言ってただけで」
駅まで早く歩こうよ、帰るの遅くなっちゃう。
そう付け加えながら片足前に出そうとしても、衛輔のいつもと違う瞳に怖気付いてしまって、なぜだか1歩動くことすら出来ない。
「本当にそれだけか?」
「え、それだけだよ」
「──────それだけだったら、なんで少し苦しそうな表情してたんだよ」
「ッ?、え?」
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月14日 2時