*20-2. ページ40
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「ふぅ〜〜ん、Aの好きな人、当てたげよっか!」
「めちゃくちゃ簡単すぎないそれ?私当てられる自信しかないよ、」
「雪絵もかおりもやめてよ!?てか何で私の好きな人を当てる話になってるの!いないって!!」
「「えっ?」」
「お二人もそうなりますよねぇ〜〜〜、自覚ないみたいなんですよこの美人さ〜〜〜ん」
「は、……!?」
雪絵とかおりはAの発言に対して半ば困惑するように2人で顔を見合せ、水春は額に手を当てて心の底から共感する声を出した。そして先輩2人に現在の事実を打ち明け、2人とも驚いてそれぞれの反応を見せた。
「ほとんど単細胞な男子達は気付かないかもだけどさ、少なくとも同じ女子から見れば、め〜っちゃ分かりやすいよ」
「待って、ホントに違う、」
「絶対違わな〜〜〜い。そういえば聞いてなかったし、何でマネージャーなったの?」
かおりと雪絵はニヤニヤしながらAの言葉を端から否定しつつ、Aに夜久の事を話させるよう話題を持っていく。
2人は水春から『夜久に誘われてマネージャーになった』と前に聞いているから、マネージャーになった動機なんて本当は知っているのだ。完全にわざとである。
「そ、それは……えと…、私、全て賭けて打ち込んでたって言えるくらい習い事にのめり込んでたんだけど、急に出来なくなって、結構落ち込んでてさ。それを衛輔がすぐ見抜いて、冗談だったらしいんだけどマネージャーに誘ってくれて。体験に行った時に、…っ。」
『──────大丈夫か!?』
『ぁ………、くひぇ…………』
『っ!!雪月!?』
『あはは……思ってたよりボールが来るのに対して身構えちゃってたみたい』
『そりゃそうだろ!急にあんなボールが飛んできたら誰だって驚くに決まってる!』
『何謝るんだよ!自分でなんとかしなきゃって思ったんだろ?咄嗟にそう動けるってすげぇことじゃん!』
あの日見上げた視界は、今でも鮮明に昨日のことのように思い出せる。ボールの緑と白と赤と、彼を表すヘーゼル色。一筋の光のように見えたあの景色は、きっと今まで見た景色の中で1番思い出深いものだ。
「っ。『あ、私できるかも』って思って、マネ業始めた」
Aはざっくりとマネージャーになった経緯を仕向けられたとは知らずに素直に話した。体験に行った時、実質マネージャー初日の出来事を思い出して一瞬口どもったが、3人はそれを見事に見逃さなかった。
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月14日 2時