【HQ】ヘーゼル色の光・2【夜久衛輔】 (ページ38)

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＊19-5. ページ38

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「1人女子に免疫ない子がいてさ、その子水春のやることなすこと毎回見る度悶えてるんだけど、今日に至っては泡吹いてた」
「マジ？大丈夫だった？」
「『スパイク決めたら撫でてあげる』って言ったら一発で蘇生したから大丈夫」
「ウケる！んで撫でたの？」
「張り切りすぎてアウトになったから撫でてない。主将に怒鳴られてた」
「あちゃ〜〜〜。音駒の皆も凄く仲良いよね！ウチとは違った楽しさありそう！」
「まぁね。皆いい子達だから、私もなんとかマネージャーやれてる。というか、赤葦も満更でもなさそうだし、そのまま水春の最強の可愛さでたくさんキルポイント積み上げていきな。付き合えたら報告してくれると逆立ちして喜ぶからさ。マジ応援してる」
「任せて、キルポイントめっちゃ積み上げるわ。」

グッドのハンドサインを決めポーズのように見せながら水春はその可愛い顔にキリッとした表情を浮かべて答えてくれた。

「てか呼び方で言うとさ！A、皆あだ名で呼んでるよね！」

そういえば！と言うように両手をパチンと叩いてから水春は私にそう問いかける。

「そうだね、」
「そんで！1人だけ名前で呼び捨てをしている！！」
「あぁうん。してるね。」
「夜久さんだよね！渋谷のスポーツショップで会った人！マネージャーに誘ってくれたって前話してくれてたけど、今回の合宿でめちゃくちゃ良い人だなってマジで思ってる。Aも夜久さん感謝してるからこそ、それを忘れないように呼び捨てしてるの？」
「うん。2年間同じクラスだし、衛輔、結構私に気を遣ってくれているの。元々面倒見が良くてしっかりしてるから、もしかしたら素でやってるかもしれないんだけどね。私、バレエ今出来なくなったでしょ？それで塞ぎ込んでたのをすぐ見抜いて、マネージャーに誘ってくれてさ。衛輔が誘ってくれなかったら今の私はいないから。それを忘れないようにしたいんだよね」
「…………………………。」
「？どうしたの水春」

その可愛い声で話してくれていた中で突然の静寂が訪れて、思わず水春に声をかける。水春は口を開けて驚いたように固まっていた。私が変なことを言っただろうか？本音を言っただけのつもりだったのだが。もしかしてGでも出てきたのだろうか。それとも急に体調崩したとか？

色々原因を予想し始めた時に、水春は目をぱちぱち丁寧に瞬きしてから、言葉を放った。

「───────Aさ、夜久さんに恋してるね」