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「ハチ公前…ハチ公前……」
夏の渋谷。暑い。人が多い。暑い。
通学定期とは違う交通系ICカードが入っているスマートウォッチで改札を通って、ハチ公前へと足を進める。現在時刻は12:15。10分前に着けたら…なんて思っていたが、それよりも余裕のある15分前。
正直ピアスもメイクもしてきた上で15分前に到着したのはかなり上出来である。ルンルンな気分で、お気に入りのセットアップの裾をたなびかせながら雑踏の中を歩いている。
(15分前だから、おそらく私が1番最初だろうな。12:30集合って言ってたし…。)
集合場所によく使われるハチ公前は、いつ何時でも人で溢れかえっている。
ハチ公の銅像が見え、見えやすい場所に立って待っておこうか…と思っていた矢先。
「───────あ!Aいた!!」
「───────A〜!こっちだぞ〜!」
「───────左を向いてごらん、A!」
聞き覚えのある良い声×3。
その声にハッとしながら、言われるがまま左を向くと、制服やジャージ姿とはかなり雰囲気を変えて、顔面偏差値を更に際立たせて個性を発揮しているイケメン3人組がいた。
危ない、メイクも身長詐欺もしてきて良かったよマジで。この中にすっぴんおよび151cm近くの身長で混じって練り歩くなんてシンプルに自信なくす。危ねぇな本当に。過去の自分グッジョブ。
(………え、まだ15分前だよ!?どんだけ先に着いてたんだ!?)
心の中で叫ぶと同時に何分前にに来たのか問いたださなくては、そう思いながら3人の元へ駆け寄った。
「午前中ぶりだね!てかまだ12:30じゃないのにもう3人とも着いてるって何時に着いたの!?」
この炎天下の中だ。額に汗もかいてるし、喉が渇いていたのか3人とも600mLのミネラルウォーターを4分の3ほど飲み干している。もしかして、相当待たせたのでは……?
「まぁまぁそんなに慌てなさんなAお嬢さん。俺らはほんんのさっき着いたばかりですよ?」
「さっき?ホント?」
さっき着いたばかりの人がかく汗と摂取水分量ではないような気がするんだが……。
それとも本当にさっきここに着いたばかりで、駅までの間の徒歩でかいた汗だろうか。それなら合点がいくけれども。
「おう!ホントだぜ!黒尾と海は同じ電車に乗り合わせたらしくてな。ここに来るまでの間に皆水分取りながら駅とかバス停までとか歩いて来たせいで汗かいてっけど。ここについてからほんの少し喋ってて、そしたらすぐAが来たとこだったぜ。だから安心しろ」
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月14日 2時