*15-6. ページ20
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「───────怖いとか不安とかそういうの、全部ぶつけろ。」
「それら全部とっぱらって、俺ら"護りの音駒"が全国制覇するところ、傍で見届けてくれ。」
俺だけだと頼りねぇかもしれない。
そう思うことにどこか悔しさという感情を自覚しながら、目の前で思い詰めちまってるAにそう言った。
「どうしても皆に言えない、言いづらいとかあれば、そん時は俺だけで構わねぇ。Aをマネージャーに誘ったのは俺だし、それくらい当然の責務だ。仮に誘ってなかったとしても同じことを凜に言ってる。俺、受け止めるの得意なんだ。知ってるだろ?」
皆に言えねぇと思うのなら、せめて俺だけでもいいから、弱音を吐露して楽になって欲しい。不安や恐怖があるのなら、全部受け止めてそれらを払拭してやりたい。心の底から思った。
受け止めるのは得意って言っちまったが、"護りの音駒"と謳われるチームでの正リベロだから、まぁ、ほんの少しの説得力くらいはあるだろう。
すると安心してくれたのも相まってか、嬉し涙を流して笑ってくれた。
(………………綺麗だ、)
嬉し涙を流して笑うAは、
この世のどんなに綺麗な宝石よりも
美しくて綺麗だと、本気で思った。
「はは、!凜って意外と泣き虫なんだな!」
「っ!そうだよ、!涙脆くはないけどさぁ!!昔から結構泣く方だよ、!!」
「ははは!いい加減泣きやめ、明日目が腫れちまうぞ?ほらハンカチ貸すから。あ、おしぼりの方がいいか?」
「ぅ゙ッッ、……っ!おしぼりがいい゙、」
「ふは、!分かった分かった、聞いてみっから!とりあえず今はこれ使えよ」
「ゔわぁ〜っ、完全に、末っ子扱いだぁぁ……ッ、ッ゙、」
「実際俺より4ヶ月と6日年下だろ?」
「そうだけど……ッ゙!ぅぅ………、っ、!!」
初めて見た時は、整いすぎて怖ぇと思ったけれど。
笑う時は花が咲くような笑顔を浮かべるし、こんなにもいじらしい一面だって見せてくれる。心を開いてくれているのだろう、そう思うと嬉しくなっちまうな。
Aが俺達の支えになりたいと
頑張ってくれるのなら、思ってくれるのなら、
俺は、そう思う中での、
不安や恐怖を受け止める存在になりたい。
それらを全部この手でとっぱらって、
その花が咲くような笑顔にさせてやりたい。
『高嶺の花』
『立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花』
そんな存在にとっての、
周りと違う特別になりたいなんて、
思ってしまってもいいだろうか。
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月14日 2時