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俺がバレー出来なくなったら。
生きがいをなくすのと変わらねぇ。
死ぬのと何一つ変わらねぇ。
バレーは、俺の全てだから。
俺の考えを話すと、少し泣きそうになっていた。
美人の涙を至近距離で見るのも正直好奇心が働くが、クラスメイトともよく笑っているのを思い出して、笑って欲しくて(という名の可愛い笑顔を間近で見て得したい気持ちもあって)、完全に冗談でマネージャーに誘ってみた。するとそれに乗っかってくれた。何か、縋るものが欲しいのかもしれない。
半ば驚きつつも話が進んで、放課後になって、そしてマネージャーをやってくれると言ってくれた。
昼休み先輩のところに話をしに行った後に黒尾と海にも同じことを話した時と、部活帰りにAと別れた後、黒尾達3人の間で『やべぇやべぇやべぇ!!!』なんて語彙力のない大騒ぎをLINEのグルチャでしたことは、今はAには隠し通すつもりでいる。
本当にその内容は語彙力がなくて今後笑い話になること間違いなしだろうが、1つだけ共有するとすれば、俺らを宥めてくれるあの海が『祭りじゃ!』て言う文字のある最高によく分からないスタンプのスタ爆をかましたほどだ。察しろというのは基本嫌いだが、これだけで少しでいいので察して欲しい。
同じ部活に所属している、というとんでもない共通点が出来てから、Aは色んな姿を俺らに見せてくれている。
むさ苦しい男だらけの中でもいつもと変わらず過ごしていること、めちゃくちゃ気が利くこと、スタバのカスタムが呪文みたいにやべぇこと、意外とワードチョイスが訳分からないレベルで面白いこと、やはりツボが浅いこと、物理基礎がとてつもなく地雷なこと、お嬢様育ちだからこそ苦労していた部分もあること、医者令嬢で育ちがとても良いこと、しっかりしてるが実は末っ子育ちで割とその部分がよく見えること、
───────そして、無理しちまうこと。
先輩と話している時、無理してるような笑顔が見えて、前々から思っていたそれは確信に変わった。
しっかりしてるし気が利くし、だからこそ無理しちまうのだろう。
俺だけなら話してくれるかもと思って、一緒に帰ろうか?と声をかけてくれた黒尾と海を半ば無理やり先に帰らせた。2人で帰るようにわざと仕向けて何があったか聞いてみても、無理やり笑顔を貼り付けていた。
無理してるAの姿なんて、苦しそうな姿なんて、俺は見たくない。そう思ったのが原因で、勢いで喫茶店に連れて行って話を無理やり聞いた。
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月14日 2時