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外も暗くなって片付けをしている時、自分は記録用紙を急いでまとめたり、皆が飲んでいたドリンクボトルをドリンクカゴに戻したりとマネージャー業に勤しんでいた中、今のキャプテンである先輩が自分が飲んでいたドリンクボトルを持ってきて下さった。
「キャプテン、ありがとうございます。私から取りにいかないといけないのに、」
「いいっていいって!これくらいはさせてくれよ。今日は急な報告してビックリしちゃったよな?」
「まぁ…。驚かなかったと言えば嘘になりますが、どちらにせよ聞かなくてはならない大事なことだったので……。今日聞けて良かったです。」
「そっか。ここだけの話なんだけどさ、Aちゃんがマネージャーとして入ってくれたから、俺ら3年はここいらで黒尾達に早く任せようと思ったんだ。」
「え?私が入ったからですか?」
記録用紙をまとめる手伝いをさりげなくしてくれながら、キャプテンは少し恥ずかしそうに鼻をこすった。
……なんだこの少女漫画みたいな展開は。何回目ですか。多分1500回くらいかもしれん。違うけど。音駒高校男子バレー部、ヤバいっすね…。
リアコ製造機があまりにも多すぎませんか?
私困惑してますが?このままだと男バレメンバーを狙ってるJK達に敵意持たれて呼び出しイベみたいな、夢小説で5億回は見た展開が待ち受けてそうな気がするよ。フラグ回収されない事を祈るけども。やめてくれ、私なんかにそんな行動しないでくれ、他の可愛子ちゃんにやってくれ。
「Aちゃん、俺らのバックアップだけじゃなくて、部員に対してのさりげない気遣いや労いの言葉だったり他校の情報収集だったり、練習試合で遠くに行く時は交通ルートの確保までしてくれたりしてるだろ?それに黒尾達3人が引っ張るチームと、Aちゃんの献身的なマネージャー業が加われば、過去最高の"護りの音駒"に育つ。そう思ったんだ。」
「っ………。」
……それって、まさか私がマネージャーとして入らなかったら、
先輩方は冬までいたってことですか?
思いついてしまった疑問は、まるで水の中に墨汁を一滴垂らすように不安という感情へと姿を変えて、自分の胸の奥を冷たくした。
「…ありがとう、ございます。これからも自分に出来ることを増やしていかないとって思っていた矢先に、こんな嬉しい言葉をもらえると思ってなかったから、その……、嬉しい、です」
平然を装って、口角を無理やり上げた笑顔を貼り付けた。
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月14日 2時