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中学生の時の話 ページ22

荒北さんのタイプはわがままな子だと判明したが、荒北さん相手にわがままなんて恐れ多いので荒北さんのタイプにはなれないってワケ。



・・・



 放課後、校舎裏のベンチに荒北さんが座っているのを発見した。なんて話しかけたものか……そうだ。


 「あの」
 「ゲ、佐藤」
 「ゲ……とは?」
 「黙秘」


 荒北さんの視界外からおずおずと話しかければゲ、との事だった。失礼では? ……黙秘。と言いながらまるで我がもののようにベンチに座っていた荒北さんが、少しズレて場所を開けてくれる。折角なのでお隣に失礼してこの前仕入れたてほやほやの質問をさせて頂くことにした。


 「荒北さん中学生のころ野球やってたって本当ですか?」
 「……誰に聞いたのォ」
 「え? 新開さんに聞きました」


 数日前、お昼休みに新開さんとエンカウントしてからたまに新開さんとすれ違う時に荒北さんのことを聞いてみることにしていた。そんな折も折、最近荒北さんの中学生時代の部活について情報を仕入れることに成功したのだ。


 「……アイツ」
 「え、もしかして聞かない方がよかったですか……?」
 「別にィ」


 沢尻エリカだ。……と、思いながら心の中では大反省会。人には誰だって聞かれたくないことの1つや2つあるだろう。荒北さんの、きっと人に踏み入られたくないような場所にズカズカと入り込んでしまったような気がした。


 「……やってたヨ」
 「え」
 「野球」
 「あ、え、そうなんですね?」
 「……ハ、なんだよ、お前から聞いてきたんだろ」


 後悔の念に苛まれ過ぎて、予想外の荒北さんの返事に素っ頓狂な反応をしてしまった。荒北さんはそんな私の方を数秒見つめて、可笑しそうに笑った。……やっちまった。完全に間違えた。恥ずかしい……。


 「なァに俯いてんの?」
 「や、だって……変な返事しちゃったんで……」
 「さ……、、、。……Aチャンが変なのは元からじゃナイ?」
 「今名前!!!!!……て、ワッ!!、!」


 恥ずかしさに俯いた私の顔を覗き込む荒北さん。ちょ……やめて……今顔が赤いので……。顔の火照りが無くなるまで、こりゃあ顔上げられんな……。などと呑気に思っていたら数拍の沈黙の後特大の爆弾が投下された。え、今Aって言った? 今、Aって言ったよね。バッと顔を上げれば荒北さんの顔が存外近くて、驚きのあまり海老のように仰け反ってしまったのだった。

 ……。→← 俺が答えます


ラッキーカラー

あずきいろ


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設定タグ:弱虫ペダル , 荒北靖友 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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しばた - 続きお願いします! (7月18日 16時) (レス) @page33 id: 1b4d124720 (このIDを非表示/違反報告)
敏腕プロデューサー(プロフ) - ひー&ラテさん» 何故かまた閲覧数が伸びてきているのでやれるだけやってみます……(. . `) (2021年8月12日 17時) (レス) id: fcb79e9045 (このIDを非表示/違反報告)
ひー&ラテ - 続きが凄く気になります! (2021年8月12日 8時) (レス) id: fe37a82818 (このIDを非表示/違反報告)
敏腕プロデューサー(プロフ) - 桜音姫さん» 楽しみにしてくださっていたのに大変申し訳ございません……(. . `) (2021年8月12日 4時) (レス) id: fcb79e9045 (このIDを非表示/違反報告)
桜音姫(プロフ) - もう少しで完結しそうなので完結までいってほしかったのですが残念です(^_^;) (2021年8月11日 19時) (レス) id: 3bb8706b83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鳥居巫女 | 作成日時:2020年2月12日 2時

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