４１＿可能性の報告 ページ46
大倉side
先刻、Aがある特務課のエージェント救出後の条野の報告書を読み終わり、
現在は隊長に呼び出されたため彼の居る場所へと向かっている
条野の報告書によると、Aの異能力は自分に駆使するより他に
短時間、そして狭い範囲でなら他人の姿をも変えられるそうじゃ
これについては特務課の責任者にも話が入っている
恐らく隊長はそれについて責任者と話をしているのじゃろうな
もしAが異能の本領をまだ発揮しきれていないのならば我々が訓練する許可を得られるように、と
…だが、もしそのようなことが出来るのならば＜特一級危険異能力者＞リストに加えられえても
おかしくは無い
そう成れば話は少々ややこしくなる
仮に暴走した場合、誰が責任を負うのか
誰が監視をするのか
万が一…本当に万が一。
Aが我々、否我々だけではない
国家を裏切ったとしたら
…それは無いだろう
話では以前、猟犬に入隊する前は軍隊に所属していたと聞く
しかも入隊時には上層部からの推薦で、とも言われている…
今更国家を裏切ることはなかろう
…だが、報告書とともに、敵が内部に侵入している可能性があると書かれているメモがあった
内部であれば捕らえるのがとてつもなく難しい…
ということでもないが、困難ではある
政府内部は非常に範囲が広い
故に網の張り方にも気をつけねばならない
広すぎては通り抜けてしまい、狭すぎては逃げられてしまう可能性が高い
福地「てる子くん？終わったぞ、」
「隊長…！♡ お疲れ様です！」
福地「うむ！…ところで、会議の内容じゃが、予想通りA君についてじゃった。」
隊長はご自身の立派な髭を撫でながらそういった
「矢張り危険判定を？」
福地「…ぁあ。＜特一級危険異能力者＞に登録された。」
我々二人はすっと目を細め、儂は矢張りそうか…と言葉をこぼした
福地「だが、A君はこちらの側の人間だ。猟犬隊員に変わりはない。故に儂が責任者となった。」
「…はいっ！隊長の御意志とあらばこのてる子、反対致しません♡」
矢張り隊長は偉大なお方なのだ…！！
儂がするであろうと思ったことを実行に移し、その結果は必ず良いものなのだ！
我々は、あのバカ３人の待つ事務所へと歩みを進めた
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作者名：ソーン | 作成日時：2022年4月23日 6時
